建て方の基礎知識(平屋建て)

掲載日:2020/10/02

更新日:2020/10/26

人気が高い平屋建て住宅。階段の上り下りをする必要がないため、究極のバリアフリー住宅といえるでしょう。
それほどの部屋数や広さを必要としないご夫婦二人のセカンドライフやDINKSなどに向いている住まいです。

平屋建てとは

平屋建てとは、もちろん1階建ての家のことです。
リビング、キッチン、寝室、水まわりがワンフロアになっている住まいです。 もともと日本の住まいは平屋が主流でした。古くから現存している住居や建築物をみてみると分かると思います。

近年、団塊世代の定年退職を機に平屋建ての人気が高まりました。
夫婦二人でゆっくりシンプルに暮らせる「セカンドライフ」という発想から生まれたものだと思われます。
その後、各住宅メーカーもこぞって平屋建て住宅商品をラインナップに加えるようになり、より人気が高まったようです。

また、平屋建ての住まいは、西日本、特に九州地方などでは、住宅メーカー等の販売棟数も多いことから好まれているのが分かります。

人気の平屋建て。その魅力とは・・・

さて、今では夫婦二人のセカンドライフだけでなく、若い世代にも人気がある平屋建ての魅力とは何でしょうか。

■究極のバリアフリー住宅

子育ても終わり定年退職されたご夫婦が、戸建て住宅からマンションに引っ越すということがあるそうです。その理由の一つに、マンションはエレベーターもあり、階段の昇り降りをしなくて済むということがあげられます。高齢になると階段の昇り降りは辛くなるので、マンションと同じフラットな生活導線で暮らせる平屋建ては魅力のある住まいと言えます。
また子育て世代のご夫婦の場合も、子供が階段からの転落事故も防ぐことができる利点もあります。

■構造的に強い

平屋の場合、住居部の上に載っているのは屋根だけです。
2階建てに比べて上に載っているものが軽いのでそれだけ強い構造となり、地震や台風などにも倒壊する危険性が低いので安心して暮らせます。
また火災・地震などの緊急時に避難がしやすい点も安心です。

■生活のしやすさ

天井を高くすることができるので、開放感がありゆとりある空間で暮らすことができます。
特に夫婦二人で住まわれる場合にはコンパクトでシンプルな間取りにしている方が多く、フロアの移動もスムーズで楽に家事ができることもあります。
生活がしやすいのは高齢者だけではなく、子育て世代の方にも目の届くところにお子さんがいるので安心して暮らすことができます。

平屋建ての注意点

魅力的な平屋ですが、やはり注意しなければならない点は幾つかあります。

■広い敷地

最近の住宅建築は二階建て・三階建が主流ですが、同じ敷地に平屋を建てると部屋数が少なく狭く感じられます。二階建てと同じ部屋数が欲しい場合は、二倍の土地面積が必要となります。住宅メーカーの場合ですと、○坪以上というところもありますので確認をお勧めします。

■防犯、採光やプライバシー、通風

窓は防犯用にする配慮が必要となります。
また北側の部屋などは暗くなりがちになりますし、壁が多い間取りにすると風通りが悪くなってしまうので注意をしなければなりません。

■坪単価

一般的な2階建てから2階の部分を取ると平屋になります。
屋根と基礎(土台)は2階建ても平屋も同じものですので、住居部が半分になったからといって屋根や基礎が半分になる訳ではありません。なので、建築費用も単純に半分になる訳ではありませんから坪単価は高めになるのです。
でも、コンパクトな間取りで建てることができれば、建物の(坪単価ではなく)総体価格は抑えられることができます。