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【FP解説】贈与税がかからない方法とは? できるだけ税負担が少なくなる贈与の方法

アルヒマガジンメインイメージ(家族写真)

掲載日:2021/04/12

贈与税がかからない方法をうまく活用して生前贈与をすると、相手が必要な時期に財産を譲ったり、将来かかる相続税を節税したりすることができます。贈与税は相続税よりも税負担が重くなることから、贈与税がかからない方法を利用することが大切です。今回は、できるだけ税金の負担が少なくなる贈与の方法について解説します。

贈与税の基本的な仕組み

贈与税申告書

相続税対策として生前贈与をする場合は、税負担が重くならないようにすることが大切

贈与税とは、個人から年間110万円を超える財産をもらったときに負担する税金のことをいいます。税率は贈与された金額に応じて10%から55%となっており、贈与額が多くなればなるほど、贈与税も多くなる仕組みです。ここでは、贈与税について詳しく解説します。

贈与税の負担は相続税より重い

贈与税と相続税は「財産をもらったときに支払う税金」のため、同じような意味合いがあります。しかし、贈与税の税率は相続税よりも高く設定されており、控除額も相続税のほうが多いことから、贈与は相続よりも不利な条件といえます。

たとえば、贈与税の基礎控除額は年間110万円のため、110万円を超える財産をもらうと贈与税がかかります。しかし、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となっており、ある程度まとまった資産を相続した場合にのみ相続税がかかる仕組みになっています。

このように、贈与は相続よりも不利な条件になっているため、相続税対策として生前贈与をする場合は、税負担が重くならないようにすることが大切です。

贈与税は誰が納税するもの?

贈与税は、財産を与えた人ではなく、財産をもらった側が申告をして納税します。1月1日~12月31日までに受け取った財産の総額が控除額の110万円を超えた場合、財産を受け取った人が翌年の2月1日~3月15日までに申告書を提出し、確定申告を行います。

そして、申告書の内容に基づいて計算された贈与税を、申告期限内に金銭により一括で納税する仕組みです。

一括で納税できない場合は延納が認められるケースもありますが、納付期限は5年以内となっています。ただし、贈与税額に対して利子税がかかりますので注意しましょう。

贈与税がかかる主なケース

贈与税がかかる主なケースとして、まとまった金銭や土地、有価証券などの贈与がありますが、それ以外にも贈与とみなされる場合があるので注意が必要です。

たとえば、1人暮らしをしている子どもへの仕送りは基本的には非課税ですが、受け取ったお金を生活費に使わずに貯金したり、投資に使ったりした場合は贈与とみなされることがあります。

生命保険では、保険料を支払った人以外の人が、満期保険金や解約返戻金を受け取った場合に贈与とみなされます。たとえば、子ども名義の保険で保険料を親が負担していて、満期保険金や解約返戻金を子どもが受け取った場合は贈与となります。ただし、ケガや病気が原因で支払われた保険金は、贈与とはみなされません。

個人間で時価よりも低い価格で車や宝飾品などの財産を譲り受けたときも、贈与とみなされます。たとえば、親が使っていた車を安い値段で子どもが買い取った場合は、市場価格と実際に購入した価格の差額が「贈与分」となります。

また、債務の免除を受けた場合も贈与とみなされます。子どもが親に借金をしていて「返済はしなくていい」という場合は、債務の残額分が「贈与」とみなされますので注意しましょう。

贈与税がかからない方法と注意点

祖母と孫

非課税枠を利用した生前贈与は、相続税対策としても大きな効果がある

贈与税は大きな負担になることから、贈与税がかからない方法を利用することが大切です。ここでは、贈与税を減らすために活用できる制度や注意点を詳しく説明します。

誰からの贈与でも適用される非課税枠

贈与には年間110万円の非課税枠があることから、年間110万円以下に抑えて贈与をすれば贈与税がかからず、確定申告も必要ありません。また、個人間の贈与であれば、非課税枠は誰からの贈与にも適用できます。

この非課税枠を利用した生前贈与は、相続税対策としても大きな効果があります。たとえば、110万円以下の贈与を10年間続けた場合、合計で1,100万円を非課税で贈与できることになり、将来の相続財産を大きく減らすことができます。

ただし、毎年決まった時期に同じ金額だけ贈与をすると「一括贈与」とみなされ、相続が発生したときに相続税が課されることがあります。また、口約束だけで生前贈与を行った場合も「贈与契約があったかどうかがはっきりわからない」ということで、非課税枠を使った贈与が認められないことがあります。

このようなトラブルを避けるための対策としては、「不定期に贈与をする」「贈与のたびに贈与契約書を作成する」「現金ではなく振り込みをして記録を残す」ことが挙げられます。

非課税枠が認められないと将来の相続税が大幅に上がってしまうことがありますので、慎重に贈与を行うようにしましょう。

配偶者へ不動産を譲渡したい場合

配偶者へ不動産を譲渡したい場合は、配偶者に対する贈与の特例を使うと、贈与税を大幅に抑えることができます。

この「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」では、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用の不動産や敷地、もしくはそれらを購入するための金銭を贈与した場合、最高2,000万円までが非課税となります。

この2,000万円の控除に加えて基礎控除も利用できるため、合わせて2,110 万円までの贈与であれば、贈与税がかからない仕組みです。

ただし、この配偶者控除の特例を使って贈与する場合は、納税額がゼロであっても必要書類を添付して、必ず申告をしなければなりません。

また、この制度を使って不動産を譲渡された場合は、贈与税はかからないものの、不動産取得税はかかるため注意が必要です。

不動産取得税とは、土地や建物を買ったときにかかる税金のことです。入居してしばらくすると自治体から納税通知書が送られてくるため、その納付書を使って納税します。

不動産取得税の税率は原則として4%となっていますが、宅地・住宅ともに軽減措置が設けられています。この軽減措置を使うと不動産取得税を大幅に減らすことができますので、要件をしっかりと確認するようにしましょう。

父母や祖父母から子や孫へ財産を贈与する場合

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から20歳以上の子や孫に財産を贈与した場合に、最大2,500万円までが非課税になる制度です。この制度を利用すると、財産を受け取る人1人につき2,500万円までであれば、非課税で何度でも贈与をすることができます。

ただ、将来相続が発生したときには、贈与された財産が「相続財産」に加算されて相続税が再計算されるため、税金がゼロになるわけではありません。相続財産額によっては、相続税を納めなければならないことがあります。

ここで注意したいのは、相続発生時に加算される贈与財産は「贈与時の時価で計算される」ということです。たとえば、相続時精算課税制度で当時の評価額が2,000万円の土地を贈与されたとします。その後相続が発生したときに土地の評価額が3,000万円に上がっていても、逆に1,000万円に下がっていても「2,000万円の土地」として、相続財産に加えられることになります。

土地の評価額が上がっていれば、実際よりも低い評価額で相続税を計算することになるため、納税者にとって有利な条件となります。逆に、土地の評価額が下がっていた場合は、時価よりも高い評価額で相続税が計算されてしまうことになります。

このように、この制度を使って値動きのある財産を贈与する場合はリスクがあるため、慎重に検討するようにしましょう。

また、この相続時精算課税制度は贈与税がゼロになる場合でも申告が必要となり、年間110万円までが非課税となる「暦年課税」を使うことができなくなります。いったんこの制度を利用すると、取り消すことができないので注意しましょう。

父母や祖父母から子や孫へ「教育資金」を贈与する場合

父母や祖父母から、子や孫へ教育資金を贈与する場合「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の特例」を利用すると、要件を満たす人1人に対して、最大1,500万円までを非課税で贈与することができます。

受贈者の要件は「30歳未満の子や孫で、前年の所得が1,000万円以内であること」です。

贈与された1,500万円の用途は厳しく決められており、入学金や授業料、修学旅行費などの教育費であれば1,500万円まで、塾や習い事への支出は1,500万円のうちの500万円までとなっています。

この特例を利用するときには、まず銀行や信託銀行で専用の口座を開設し、教育資金非課税申告書を提出する必要があります。そして、資金を引き出した後は、領収書等を金融機関に提出し、用途を証明しなければなりません。

教育資金口座に係る契約が終了したときに口座に残高が残っていた場合は、契約終了時に贈与があったこととされ、残額に応じて贈与税が課されます。

父母や祖父母から子や孫へ「結婚・子育て資金」を贈与する場合

父母や祖父母から20歳以上50歳未満の子や孫に対して「結婚・子育て資金」を贈与する場合、「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」を利用すると、結婚・子育て資金として受贈者1人当たり1,000万円までを非課税で贈与できます。

ただし、非課税で贈与された1,000万円のうち、結婚資金として使えるのは300万円までとなっていますので注意が必要です。

この制度を利用するときには、教育資金の一括贈与と同じように、まず信託銀行などで専用の口座を開設し、結婚・子育て資金非課税申告書を提出します。そして、その口座に贈与されたお金を引き出した場合は、決められた期日までに領収書等を金融機関に提出します。

子育て資金の範囲は、不妊治療など妊娠に要する費用、分娩費など出産に関する費用、未就学児の治療や予防接種、保育園費などの育児に関する費用となっています。

結婚資金の範囲は、挙式や結婚披露宴の費用、結婚後の新居にかかる家賃や敷金・礼金などの費用、新居に転居するための引っ越し費用となっています。

どの用途においても領収書を金融機関に必ず提出しなければなりませんので、紛失しないようにきちんと保管しておくようにしましょう。

父母や祖父母から子などへ「住宅取得等資金」を贈与する場合

父母や祖父母などの直径尊属から子などへ「住宅取得等資金の贈与」を行った場合、最大1,500万円が非課税になる制度もあります。この制度の受贈者の条件は、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること、合計所得金額が2,000万円以下であることです。

この制度を使うためには「取得した家屋の床面積(マンションの場合は専有部分)が50平方メートル以上240平方メートル以下で、かつ床面積の2分の1以上が居住用であること」等、住宅や土地に関する要件を満たす必要があります。

また、この制度では、取得する住宅が省エネ等住宅かどうかによって、非課税額が変わってきます。たとえば、2020年4月1日~2021年3月31日に締結した契約の場合は、省エネ等住宅の非課税限度額は1,500万円、それ以外の住宅では1,000万円となっています。

非課税で最大額まで贈与を受けたい場合は、省エネ等住宅を検討するようにしましょう。

この制度を利用したい場合は、贈与を受けた翌年の3月15日までに居住用の住宅や土地を取得する必要があります。また、配偶者の父母からの贈与は対象外なので注意してください。

まとめ

贈与税は相続税よりも負担が大きいため、贈与税がかからない方法を利用することが大切です。また、贈与税は受贈者側が納めなければならないことから、非課税で贈与をすると受贈者側の負担を減らせるというメリットもあります。

年間110万円までの非課税枠やさまざまな制度を活用すると、お金が必要なタイミングで効果的な贈与ができたり、将来の相続税対策をしたりすることができます。生前贈与を検討している人は、非課税になる方法をうまく活用するようにしましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。

執筆者:伊藤 久実

提供元: アルヒマガジンロゴ

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