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気をつけて! 住宅ローン控除や住宅資金贈与特例にまつわる申告ミス

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掲載日:2021/04/12

「住宅ローン控除」は、住宅を購入した多くの方が適用を受けている税額控除制度ですが、多くの申告ミスが指摘されています。申告ミスがあると申告し直し、不足分の税金を払うことになります。過去のミスの事例を確認し、これからの特例の活用や確定申告に生かしましょう。

住宅ローン控除等の申告ミス、4年間で1万4,500人

住宅ローン控除制度をはじめ、「住宅」に関しては多くの税制優遇の特例制度がありますが、特例を受けるための条件の見落としにより、申告ミスになる場合があります。

平成30年12月の国税庁の発表によると、平成25年から28年分までの所得税の確定申告書を提出するなどした人のうち、最大で約1万4,500人について「申告誤りの是正が必要である」と判明したそうです。申告誤りとなっている3つのケース(表1)について、それぞれのミスのポイントを確認しておきましょう。

申告誤りの3つのケース(表)

住宅取得等資金の贈与特例を受けたら、住宅ローン控除額の計算には要注意

ケース1は、住宅ローン控除と、贈与税の住宅取得等資金贈与特例※の両方を受けた場合の控除額に関するミスです。

住宅ローン控除のその年分の控除額は、「(a)住宅ローンの年末残高等×1%」で計算されますが、この式の(a)の部分には必ず「住宅ローンの年末残高」が入るわけではなく、「住宅の取得等の対価の額又は費用の額」と「住宅ローンの年末残高」とを比べて少ないほうの金額が入ります。しかし、ケース1のように、住宅取得等資金贈与特例の適用を受けた人が住宅ローン控除を受ける場合には、贈与特例を受けた受贈額は、住宅取得価額等から差し引くことになっています。それで、住宅ローンの年末残高よりも住宅取得価額等が少なくなる場合があるのです(図1)。

※住宅取得等資金贈与特例・・・・「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」「特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例」の2つを指す

<図1 住宅ローン控除額の計算の基礎となる金額>

図1(住宅ローン控除額の計算の基礎となる金額)

国税庁「住宅ローン控除の誤りやすい事例」の内容をもとに編集部作図

たとえば、住宅取得価額等が2,800万円で、住宅取得資金として700万円を親から贈与を受け、贈与税の住宅取得等資金贈与特例の適用を受けたとします。

住宅ローンの年末残高が2,300万円だった場合、贈与特例を適用していなければ、「住宅ローンの年末残高2,300万円」のほうが「住宅取得価額等2,800万円」よりも少ないので、(a)の金額は2,300万円となり、控除額は23万円になります。

しかし、贈与特例の適用を受けていた場合には、住宅取得価額等から贈与特例の適用を受けた受贈額を差し引くので、2,100万円(2,800万円-700万円)がこの場合の「住宅取得価額等」になります。したがって、「住宅ローンの年末残高2,300万円>住宅取得価額等2,100万円」となり、この年の住宅ローン控除額は、2,100万円×1%=21万円となります。

「住宅ローンの年末残高」を(a)として計算し控除額23万円として申告していたら、正しい控除額は21万円なので、控除額を2万円多く(納める税金は2万円少なく)申告していたことになり、申告し直して不足額を納税することが必要になります。

住宅取得資金として親や祖父母等から現金を贈与してもらい、贈与税の贈与特例と住宅ローン控除の両方の適用を受けようとしている方などは、控除額の計算に注意が必要です。

自宅を売った場合の特例を受けていたら、住宅ローン控除は受けられない

<ケース2>も、2つの特例の適用を受けようとした場合のミスです。

自宅を売った場合の利益(譲渡益)は譲渡所得の対象となりますが、譲渡所得にもさまざまな課税の特例※1があり、税負担を減らすことができます。しかし、一定期間(=新居に住み始めた年分およびその前後2年分ずつの計5年間の期間)に以前住んでいた住宅を売却して、譲渡所得の課税の特例の適用を受けた場合には、住宅ローン控除の特例の適用は受けられないのです。

国税庁「住宅ローン控除の誤りやすい事例」の内容をもとに編集部作図

国税庁「住宅ローン控除の誤りやすい事例」の内容をもとに編集部作図

住宅ローン控除の特例を受けたものとして税額を計算し、申告していた場合は、計算し直して申告し直すことになり、不足分の税金を納めることになります。

※1 「譲渡特例の適用を受けた場合」とは、

(1)居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)

(2)居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円の特別控除)

(3)特定の居住用財産の買い替え・交換の特例

(4)既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え・交換の特例

以上の適用を受けた場合をいい、新居に住み始めた年分に住宅ローン控除の適用を受け、その翌年または翌々年中にその新居を売却して譲渡特例の適用を受ける場合を除きます。

贈与税の住宅取得等資金贈与特例の所得制限に要注意

ケース3は、贈与税の住宅取得等資金贈与特例に関するミスです。

親や祖父母などの直系尊属から住宅資金の贈与を受けた場合には、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」が受けられれば、受贈額の一定額までは贈与税が非課税となります。

しかし、この特例には所得制限があり、その適用を受ける年の所得税の合計所得金額が2,000万円超である人は、この贈与特例が受けられないのです。この所得制限に気づかず、贈与特例を適用して贈与税の申告を行っていたケースがあるということです。

住宅に関する税制にはさまざまな特例がありますが、多くの特例には年齢や所得、親族関係などの制限や条件があります。

また、資金の贈与を受けて住宅ローンを組んで住宅購入した場合のように、複数の特例を同時に受ける場合にはさらに条件や制限が設けられている場合もあります。

特例の適用を検討する際には、同時に適用を受けたいほかの特例も合わせて、条件や制限を確認するようにしましょう。不明な場合には、申告前に、国税庁のホームページや、最寄りの税務署、電話相談センターなどで確認されるとよいでしょう。

参考:

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除等の適用誤りに関するお知らせ(国税庁)

住宅ローン控除の誤りやすい事例(国税庁)

国税に関するご相談について(国税庁)

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。

執筆者:大林 香世

提供元: アルヒマガジンロゴ

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