雪おろしの心配はもういらない? 失敗しない雪対策の選び方

火災に強い家(イメージ)

掲載日:2015/10/29

更新日:2020/07/03

  • 寒冷地に住んでいるので、冬になると屋根の雪おろしが大変
  • 高齢で雪おろし中の事故が心配

このような悩みを抱えている方は少なくないでしょう。

「雪おろしの楽な家」は、雪国に住む方にとって理想の住まいのひとつ。過去、建設業者もさまざまな方法で雪対策に取り組んできました。しかし、どんな方法にもメリット・デメリットはあるものです。雪おろしを楽にするためには、家造りでいったいどんな雪対策を施したらいいのか学んでいきましょう。

雪おろしを楽にするには、屋根に対策を施すこと

「雪おろしの楽な家」を実現するためには、屋根に何らかの雪対策を施すのが一般的です。いくつか例を挙げると「自然落下式屋根」「融雪屋根」「耐雪屋根」といった仕組みがあります。

自然落下式屋根とは、屋根に一定の傾斜を持たせることで、雪が自身の重みで自然に落下するようにした仕組みです。放っておけば勝手に雪が地面に落ちるため、雪おろしを行う必要はありません。

融雪屋根とは、電気やガスで発生させた熱で屋根を温め、雪を溶かす仕組みです。雪は水になり、雨と同じように自然に流れていくため、雪おろしの負担から開放されます。

耐雪屋根とは、「雪が最もたくさん降り積もったときの荷重」に耐えられるよう、あらかじめ十分な強度が与えられた屋根のことです。雪おろしをしなくても建物が雪の重みに耐えられるため、自然に雪が溶けて消えるのを待つことができます。

どんな雪対策にも、デメリットはある

しかし、上げた例にもそれぞれいくつかのデメリットはあります。

自然落下式屋根の場合、地面に落下した雪はなんとかして処理しなくてはなりません。建物わきに十分なスペースを確保できないと、屋根から落下した雪が隣の敷地に入り込み、ご近所トラブルの原因になってしまうことも考えられます。

融雪屋根が抱える問題は、ランニングコストです。熱を生み出すためには、ガスや石油、電気を使う必要があり、費用がかかります。

耐雪屋根は、屋根と建物を頑丈に造らなければならないため、建設コストが高くなります。

自分のライフプランにあった雪対策を選ぼう

あらゆる問題を全て解決する、「完璧な雪対策」といえる方法は、現在のところまだありません。しかし、どの方法も他の方法にはない独自のメリットを持っていることもまた事実です。

たとえば、自然落下式屋根が持つ独自のメリットは、ランニングコストがかからないこと。落ちた雪を除雪する手間が苦にならないのであれば、最も安上がりな雪対策となります。

融雪屋根は、ランニングコストこそかかるものの、除雪などの手間はほとんどありません。経済的に余裕がある方にとっては魅力的な方法でしょう。

耐雪屋根に至っては、除雪の手間もランニングコストもかかりません。初期費用の負担さえ何とかできるのであれば、冬の間、雪に関する悩みからは完全に開放されるでしょう。

家造りでできる雪対策で失敗しない秘訣は、自分のライフプランにあった方法を選ぶことです。メリットとデメリットを天秤にかけ、自分が望んでいる暮らし方にとって「メリットのほうが大きい」と考えられる方法を選択すればいいのです。