冬の冷気をシャットアウト、窓とサッシを断熱化する方法とは?

2つの開いた窓

掲載日:2016/01/28

更新日:2020/07/03

「冬になると、窓辺からサーッと冷たい空気が漂ってくる……」

誰もが一度はこんな経験をしたことがあると思います。実は、日本の窓の断熱性能は先進国の中でも最低レベルであるといわれています。窓のような開口部は、家の中で熱の出入りが最も多い場所であるにもかかわらず、です。

今回は、

  • 冷暖房効率のいい家を建てて光熱費を削減したい
  • 冬でも暖かい窓辺にしたい

という方のために、窓の断熱化について考えてみたいと思います。

Low-E複層ガラスやアルミ樹脂複合サッシを採用する

窓は窓ガラスと、その周辺を覆うサッシ部分からできています。なので、それぞれに断熱効果の高い製品を採用することで窓の断熱性能を高めることができるのです。

まずガラス部についてですが、「Low-E複合ガラス」がおすすめです。通常の窓ガラスは一枚のガラス板を貼り付けただけの作りになっています。「Low-E複層ガラス」とはガラス板を複数重ねあわせ、その間にアルゴンガスを注入したガラスのことです。アルゴンガスが断熱材の役割を果たし、室内側のガラスと屋外側のガラスの間の熱移動を妨げるため、高い断熱性能を誇っています。

せっかくガラスに断熱化を施しても、サッシ部分がそのままではそこから熱が出入りしてしまいます。サッシ部分は、かつてはスチールなども使われていましたが、現在では木製、やアルミニウム製が主流です。なかでも断熱に高い効果を発揮するのが「アルミ複合樹脂サッシ」。アルミ複合樹脂サッシは、屋外側にはアルミ、室内側には樹脂が使われているサッシです。樹脂はアルミより熱伝導率が低いため、屋内から屋外への熱の移動を妨げることができます。

窓を二重にするという方法もある

窓の断熱家により力を入れるのであれば「二重窓にする」という方法もあります。通常の窓の内側にもう一つ窓を設置することで、単純に考えれば2倍の断熱性能を得ることができるのです。

二重窓にすることによるメリットは、断熱化だけではありません。窓は温度だけでなく、音が伝わりやすい場所でもあります。二重にすることで音・振動の移動も妨げ、高い防音効果を発揮することができます。また、泥棒の目からみると窓を割るのに時間がかかるようになるので、侵入を諦めさせる防犯効果も期待できるでしょう。もろちん、断熱化による結露防止効果もあります。

利便性やデザイン面からはデメリットも

しかし、二重窓にはデメリットもあるので見過ごしてはいけません。最もわかりやすいのは「窓を開けるのに手間がかかる」という点でしょう。あまり開放しない窓ならいいですが、よく開ける窓だと開けるのが億劫になってしまうかもしれません。

また、窓の内側のスペースが少なくなるため、カーテン類の設置に制限が加えられる可能性もあります。窓が二枚重なっている構造の見栄えが気に入らないという方もいるでしょう。

窓やサッシの断熱化にはいろいろな方法がありますが、どこまで力を入れるべきかは自分や家族の好みによって左右されます。事前によく検討してから断熱化の方法を決めるようにしましょう。