「大正ロマン」という言葉をご存知でしょうか?明治維新とともに始まった文明化・西洋化の流れが庶民にも波及し、人々が活力にあふれていた大正時代の雰囲気を表す言葉です。

建築の分野にも「大正ロマンの家」というものがあります。和と洋が混在した独特の雰囲気は、現在でも多くの人から愛されています。

そこで今回は、

といった方のために、「大正ロマンの家」についてご紹介したいと思います。

漆喰と木を用いた白と黒のコントラスト

大正ロマンの家を言葉で表現すると、「白と黒のコントラスト」や「独特の陰影」が特徴だといえるでしょう。白い漆喰の壁と深い茶色の木材が創りだす室内空間を、オレンジ色の温かみのある電球が優しく照らしだす……。ひとことで言うと「大正ロマンの家」とはそのような光景です。

大正ロマンの家を建てる際のポイントは、この「白と黒のコントラスト」や「独特の陰影」をいかにしてつくりだすかという点が挙げられるでしょう。そのために今ご紹介した3つのもの、「白い漆喰・深い茶色の木・オレンジ色の照明」をうまく取り入れることをおすすめします。

竹を使った小道具と、アンティーク家具で雰囲気アップ

大正ロマンの家を建てる際は、建具や家具にも気を配りましょう。竹を斜めに編みこんだ網代(あじろ)や、日除けのために使う葦簀(よしず)といった、竹を使った道具やデザインを住まいの中に取り入れると、大正の雰囲気がグッと盛り上がります。

家具は現代的なものよりも、時代を感じさせるアンティーク家具を取り入れるのがいいでしょう。実際に大正時代から使われていた家具を古道具屋などで探し、雰囲気作りのために設置してみてもいいかもしれません。家具探しは家ができてからも可能ですが、それ以外の工夫は建設前に行なっておいたほうがいいので、早めに自分が目指す理想の家のイメージを固めておいたほうがいいでしょう。

事例集や写真サンプルを用意しておくと、イメージを伝えるとき便利

求める「大正モダンの雰囲気」をはっきり定めるためには、実物を目にして参考にすることが一番です。しかし、大正モダンの家というのはニッチな存在なので、住宅展示場などからサンプルとなる家を見つけ出すのは簡単ではありません。短時間で多くのサンプルを見つけたいのであれば、インターネットで検索するほか、住宅メーカーが出している事例集カタログを使用するのもいいでしょう。

イメージが固まったとしても、それを施工業者にうまく伝えられなくては意味がありません。実際に家をつくるのは施工業者であり、その下で働く職人たちです。自分のイメージが上手く伝わるよう、サンプルの写真などを用意して打ち合わせのための資料として持っておくといいでしょう。

新しい家を建てるとき、「和の趣が感じられる家」を建てたいと考える方は多いと思います。しかし、「和」というのは大きなジャンルです。その中はさらに細かいジャンルに分かれています。

今回は、こうした悩みを抱える方々のために、「和の趣が感じられる家」の中でも「数寄屋造りの家」に注目してご紹介したいと思います。「数寄屋造りの家」とは一体どのようなものなのでしょうか?

数寄屋造りの家は茶の湯から生まれた

「数寄屋造りの家」とは、簡単に言うと「茶室がある家」のことです。安土桃山時代、千利休によって「茶の湯」という芸術が出現しました。茶の湯には派手さよりも、質素な中に趣を見出す美意識があります。それ以前の日本家屋は、身分が高くなるほど豪華で派手なデザインとなり、いわばステータスシンボルとしての役割を持つものでしたが、茶の湯は質素な中に存在する美しさを活かした「数寄屋造り」という新しい家の形を創りだしたのです。

素材そのままの形を活かすのが特徴

数寄屋造りの家の特徴は、数多くの建材や建具を用いた、優れたデザイン性にあります。たとえば、木を材料として使うときは、きちんとした板に成形するのではなく丸太の丸みをそのまま活かして部屋の中に取り入れるのです。竹に節があればそのまま使う、木に木目があればそのまま使う・・・というふうに、素材が持つ自然の形を住まいに取り入れるのです。

主に用いる材料としては、今挙げた木や竹のほか、土壁や板ガラスなども使用します。建具としては、一部を動かして外の様子を見ることができる雪見障子・猫間障子といったものがよく使われることで有名です。

自然と調和する暮らしを実現

「素材そのものが持つ自然な形を活かす」という特徴から、数寄屋造りの家は周囲の自然と高い親和性を発揮します。「周囲の四季の変化を感じながら日々を過ごしたい」という方にはまさにうってつけだといえるでしょう。また、屋根のひさしが長いのも特徴で、夏には日差しを防ぐのに重宝します。ほぼすべてが自然素材でつくられることから、健康的な住まいであるともいえるでしょう。

デメリットとしては、素材が高価なこと、施工できる職人が限られる、といった点が挙げられます。そのため、数寄屋造りの家を建てたいのであれば、施工業者選びが重要なポイントになるといえるでしょう。家は大きな買い物です。あとで後悔しないためにも業者の下調べは事前によく行なっておきましょう。

「新築で家を建てたいが、狭い土地しか入手できなかった……」

このような方は多いのではないでしょうか?狭い土地を上手に使って広い家を建てるのは、永遠の課題と言ってもいいでしょう。

今回は、

こうした悩みを持つ方々のために、「狭い土地にできるだけ広い家を建てる方法」をご紹介します。

セットバックをクリアして、狭い土地を広く使おう

今回ご紹介する方法は、「セットバック」という構造を利用したものです。セットバックとは、2階、3階と上に行くに従って、錐状に建物の外面が後退していく家のつくりのこと。「ピラミッドみたいな家のつくり」といったらわかりやすいでしょうか。

セットバックは本来、「道路斜線制限」という法規制に対応するために用いられてきました。道路斜線制限とは、建物とは反対側にある「道路と他の土地との境界線」から1.25/1の勾配で建物側に対して斜線を引き、「その斜線内に建物が収まるよう」求めている決まりのことです。もし、道路斜線制限がなかったとしたら、道路は周囲の建物に挟まれた路地のようになってしまいます。そうなると、周囲を見渡しにくくなり、事故が起こりやすくなってしまうので、安全を確保するためにこのような決まりがあるのです。

スカイバルコニーのような構造なら、開放感も味わえる

道路斜線制限は、たとえ狭い土地に建てる家であろうと容赦なく適応されます。狭い土地で広さを確保しようとすれば、複数階建ての家にするしかありませんが、そうなると斜線制限に引っかかりやすくなってしまうでしょう。

そこでセットバックの出番です。道路斜線制限は、その名の通り地面から見て斜めの線で建物の高さを制限します。つまり、ピラミッドのように1階から徐々に道路側から後退していくように家をつくれば、道路斜線制限をクリアしながら広い家をつくることができるのです。

特に、道路に面する部分に屋根がなければその分斜線制限に引っかかりにくくなります。たとえば、2、3階部分の道路側をスカイバルコニーのような構造にすれば、楽に斜線制限をクリアしつつ開放感を味わうことができるでしょう。

自治体により後退しなければならない距離が異なる

セットバックを取り入れた家をつくるときに、忘れてならないのは、道路斜線制限は建築基準法によって斜線の角度が定められているだけでなく、家を建てる地域によって細目が異なっていることです。地域によって、セットバックで「後退しなければならない距離」が変わってくるのです。

この点をよく調べずに家を立ててしまうと、

ということが起こります。

もとより、施工業者は自ら調べて建設を行うはずですが、建設が始まってしまえば責任を問われるのは施主である自分です。自治体によっては役所に書類提出が必要なこともあるので、合わせて注意してください。

家の外観デザインを大きく左右するポイントのひとつに「屋根の形状」があります。家の外壁が見えないほど遠くからでも、屋根は見えることがあるでしょう。

今回は、

という方のために、屋根の形状選びのポイントをご紹介したいと思います。

切妻屋根・寄棟屋根・入母屋屋根

代表的な屋根の形状に、切妻屋根・寄棟屋根・入母屋屋があります。

切妻屋根は、最も一般的な屋根の形状です。四角い建物部分に二等辺三角形の屋根が乗っている、よくある建物の形をイメージしてください。あの形状が切妻屋根です。特徴は、構造がシンプルなため雨漏りにしにくいことです。特にデザイン上のこだわりがないのなら、切妻屋根を選ぶのがいいでしょう。

寄棟屋根とは、2つの台形ともう2つの三角形を合わせてできる屋根の形状です。ちょうど家の一番高い部分が一本の線になり、建物の4面すべてにそれぞれ傾斜ができているような形になります。最近流行りの形ですが、3つの面が接合する頂点部分が雨漏りしやすいので注意してください。

入母屋屋根とは、上部分が切妻屋根、下部分が寄棟屋根のような構造になっている屋根のことです。一般的には瓦屋根などによく使われます。見た目は非常に美しいですが、形が複雑になるため雨漏りにはさらに注意が必要です。

陸屋根・片流れ屋根・招き屋根

陸屋根とは、アパートなどでよく見られるまっ平らな屋根のことです。屋上をなんらかの形で利用したり、豪雪地帯では不意の落雪を予防したりするのに向いています。ただし、排水の仕組みを整えていないと雨水が溜まりやすく、雨漏りしやすいので注意してください。

片流れ屋根とはその名の通り、屋根がひとつの斜めの面になっていて雨が家の1面に対してのみ落下する形状のことをいいます。構造が単純なので雨漏りしにくく、一見したところ雨が片側に集まるので排水が楽なように思われるかもしれません。しかし、逆に集中した雨水によって家の周囲が水で溢れてしまうこともありうるので、気をつける必要があります。

招き屋根は、切妻屋根の片側を段違いにして、少し上側にずらした形状のものです。屋根の片側の勾配が急になり、建物を高くできるため、屋根裏を収納スペースなどとして使うこともできます。その他の特徴は切妻屋根に準じています。

材料を決めてから形状を決める方法も

形状を決めてから材料を決めるのではなく、先に材料を決めておいてから形状を決める方法もあります。たとえば、屋根材に瓦を使うのであれば、屋根の傾斜がなだらかになる入母屋屋根が向いています。一方、スレートなどは汎用性が高いため、ほとんどの屋根形状に対して使用することができます。

材料によって、適した屋根の形状は異なります。素材の良さを活かすことが、失敗しない家づくりにつながるのです。

「和風を選ぶか、それとも洋風を選ぶか……」

新築住宅のデザインを考えるとき、最初に差し掛かる大きな分岐点です。今回は後者、つまり洋風の家を建てる場合について考えてみます。多くの方が「洋風の家」といわれてイメージするのは、テレビなどでヨーロッパの街並みに写る「レンガの家」でしょう。レンガは長持ちすることから、メンテナンスのいらない材料としても注目されています。

火に強く、長持ちする素材

レンガの家のメリットは、第一に「耐熱性、耐火性に優れている」ということです。なにしろレンガは粘土などを焼き固めたものですから、元々燃えるものでできていません。火や熱に強いばかりでなく、耐久性にも優れています。ヨーロッパにあるレンガの家は、100年以上昔から建っている家が珍しくありません。しかもその間、ほとんどメンテナンスは不要。サイディングをはじめとする一般的な外壁材が、10〜15年程度のスパンでメンテナンスを必要とするのと比べると大きな違いがあります。

レンガは粘土から作られる、と先ほどご紹介しましたが、粘土は元々自然界に存在するものです。つまり、粘土を焼き固めたものであるレンガは「自然素材である」ということになります。人工的に作られた有害な化学物質を含んでいないため、健康に優しい素材だといえるでしょう。

地震対策のため、構造部分はレンガ以外にすることが一般的

レンガは、単体では決して地震に強い素材ではありません。地震の少ないヨーロッパでは大きな問題ではありませんが、日本において住宅の耐震性は極めて大きな意味を持ちます。もちろん、各住宅建設業者もその点について何の対策もしていないわけではありません。多くの業者は外壁のみをレンガでつくり、構造部分は木造や鉄筋コンクリートにすることで建物の耐震性を高めています。しかし、逆にいえば「100%レンガで家をつくるのは難しい」ともいえるでしょう。

また、構造部分と外壁部分の間には隙間が生じてしまうため、何かで埋めなくてはいけません。このとき、一般的なコーキング剤などを使用すると、建物に人工物を使わなくてはならなくなります。自然素材の充填剤を使う方法もあるので、レンガの家を建てるときは注意しておきましょう。

少ない施工業者の中から、ベストな選択肢を探そう

レンガで家を建ててくれる建設会社は、決して多くはありません。そのため、施工業者選びに難儀することも十分考えられます。「せっかく対応している業者を見つけたと思ったら、自分が建てたい地域には対応していなかった」なんていう事態は避けたいもの。施工業者を選ぶときは過去の事例などを参考にしながら、自分の求める条件を満たしてくれる業者かどうかを慎重に見極めてください。

住環境について考えるとき、「室内の温度差」はとても重要なポイントです。室内の温度差が大きいと、「リビングでは暑いけど、寝室では寒い」というふうに、家の中で過ごしやすい温度を保つのが難しくなります。

また、単に過ごしやすさの問題だけでなく、健康への影響も忘れてはいけません。大きな温度差は、疲労やヒートショック現象を引き起こす原因になってしまうからです。

今回は、

という方のために、「温度差のない家」を建てるためにはどのようなことに気をつけるべきかをご紹介しましょう。

温度差縮小のカギは、断熱化と気密化

「温度差のない家」を実現するためには、建物の断熱化と気密化を行わなくてはなりません。

建物の断熱化というと、壁の間に断熱材を充填するような方法を想像するかもしれません。しかし、温度差のない家を実現するためには、そうした方法では不十分です。室内温度差縮小のためには、「建物丸ごとの断熱化」が必要になります。建物の一部だけが温まるという状況では、温度差が生じてしまいやすいからです。

建物を丸ごと断熱化する方法には、構造体ごと建物を断熱材で覆う「外断熱工法」、建物の床を断熱する代わりに基礎から断熱する「基礎断熱工法」、直射日光を浴びる屋根を断熱する「屋根断熱」といったものがあります。

「気密化」とは、建物の隙間をなくすことです。窓やドアといった開口部の隙間に充填剤を入れるのがシンプルな方法でしょう。また、工場生産方式により、均質化された材料で建てられた家は、隙間ができにくいため気密化に適しています。

「温度差がゼロの家」は存在しない

「温度差のない家」といっても、「完全に、家中の温度を1℃の違いもなく統一する」ことは事実上不可能です。たとえば、どの家にも直射日光が当たる日向と、そうでない日陰があります。日向と日陰では、当然ながら温度を同じに保つことはできません。また、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に移動する性質を持っています。そのため、通常2階建ての家では2階の温度は高く、1階の温度は低くなってしまうのです。

こうした太陽光や空気の性質による温度への影響は、軽減させることはできても完全に防ぐことはできません。ですから、「温度差のない家を実現する」こととは、実際には「室内の温度差を一定以内に抑える」ことを意味しているのです。

部屋ごとの温度差は5℃以内が目安

目安としては、「外気温と室温との差は7℃以内」、「部屋ごとの温度差は5℃以内」に抑えることを目指すとよいでしょう。その程度であれば、温度差が原因で生じる病気を予防し、温度差による疲労を軽減することができます。

もちろん、目安となる数値以上に温度差を小さくすることは可能です。建物の断熱化と気密化のためにさらに多くのコストを費やせば、より温度差は縮小していくでしょう。完全に温度差をゼロにすることは無理でも、部屋ごとの温度差を1℃程度まで抑えることは不可能ではありません。

しかし、そこまでコストを費やす必要があるのかどうかは慎重に考えてください。「温度差のない家」をつくるそもそもの目的は、家族の健康を守ることです。室内温度差が5℃以内に収まれば、その目的を達成することができます。あとは、冷暖房などで温度を調節すれば、快適でしょう。温度差のない家づくりを進めるときは、どこまでお金をかけるべきか、コストパフォーマンスを考えながら計画を立てていきましょう。

住まいの断熱化、気密化を徹底することで、健康な暮らしを実現できる。

コンクリート造住宅というと、「頑丈、壊れにくい」といったイメージを持っている方が多いかもしれません。しかし、忘れてはいけない長所として、コンクリートには「蓄熱性が高い」というメリットがあります。蓄熱性が高い素材で家を建てれば、「夏は熱くなりにくく、冬は冷めにくい」、快適な家を実現できます。

という方のために、コンクリートの蓄熱性を活かした家づくりの方法を紹介します。

理想的な蓄熱素材とは、熱容量が大きく、熱伝導率が少ないもの

ものの「熱くなりにくさ、冷めにくさ」は、「熱容量」と「熱伝導率」という2つの性質によって決まります。

熱容量とは、熱をどれだけ蓄えることができるかを表す量のことです。大きければ大きいほどたくさんの熱を蓄えることができるので、熱容量の大きい素材は「熱くなりにくく、冷めにくい」素材であるといえるでしょう。もう一つの熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを表す指標です。熱伝導率が小さい素材は「熱くなりにくく、冷めにくい」素材だということになります。これらのことから、「夏は熱くなりにくく、冬は冷めにくい」理想的な素材とは、「熱容量が大きく、熱伝導率が小さい素材」であるといえるでしょう。

コンクリートの蓄熱性は高いが、断熱と組み合わせることが不可欠

ところが困ったことに、コンクリートは熱容量こそ大きいものの、熱伝導率も「大きい」素材なのです。つまり、そのままでは熱をたくさん蓄えることはできるものの、すぐに蓄えた熱が移動してしまい、高い蓄熱性能を発揮することはできません。

この欠点を補うには、断熱の仕組みと組み合わせることが不可欠です。断熱化とは、すなわち「熱の移動を妨げること」。高い熱伝導率を低く抑えるためにひと工夫加えることで、コンクリート造住宅は真の意味で蓄熱性の高さを発揮することができるのです。

外断熱と内断熱で、有効な方法が異なる。

コンクリートの蓄熱性を活かす断熱は、外断熱の場合と内断熱の場合とで有効な方法が異なります。外断熱とは、建物を丸ごと外側から断熱してしまう方法です。丸ごとの断熱ですので、家の内部で冷暖房をつけると、まるで魔法びんに入れられた飲みもののように室内の涼しさ・暖かさを維持することができます。

一方、内断熱の場合は「日当たりの良し悪し」によって有効な断熱、冷暖房の方法が変わってきます。住まいの日当たりがいいと、コンクリートは太陽光の熱を自然に蓄熱します。冬は暖かくなりますが、逆に夏は暑くなりすぎてしまうかもしれません。夏の暑さを防ぐには、屋根に断熱化を施し、過剰な太陽光を跳ね返してしまうのが有効です。

住まいの日当たりが悪い場合は、反対に夏は涼しくなるものの、冬は寒くなりすぎる恐れがあります。冬季は床暖房を敷設しておいて使用することで住まい全体が暖められ、快適に暮らすことができるでしょう。

コンクリートの蓄熱性を活かすカギは、断熱化と冷暖房の方法にあります。コンクリート造住宅を建てようと考えている方は、ぜひ頭の中に入れておくといいでしょう。

コンクリート造住宅では、適切な断熱方式と冷暖房を組み合わせることで、快適な暮らしを実現できる。

自然の資源として注目を集めている太陽光ですが、実は太陽光発電以外にも役に立つということをご存じでしょうか?

こうした悩みを抱えた方は、太陽光を住まいの中に照明として取り入れることで、室内の採光を確保することができます。

今回は、自然光(太陽光)を住まいに取り入れる方法についてご説明しましょう。

天窓や高窓で自然光を取り入れよう

自然光を取り入れるのに有効な設備をいくつかご紹介します。天井に窓を設ける「天窓」は効果がわかりやすい設備でしょう。真上から太陽光が室内に降り注ぐため、昼間でも明るい住まいを実現できます。

似たような設備に高窓があります。天窓が天井に設置されているのに対して、高窓は室内の壁のごく高い位置についている採光用の窓です。床に対して窓が垂直になる分「天窓ほど光が入らないのでは」と思う方もいると思いますが、そうとは限りません。直接光が入らなくても、室内の壁などに当たって反射することで、案外室内は明るくなるものです。いわば、間接照明と同じような仕組みです。

自然光を集めて室内に供給する「太陽光採光システム」

もっと機械的な設備を使って自然光を室内に取り入れる、太陽光採光システムというものもあります。太陽光採光システムを構成する要素は、集光器と呼ばれるいくつかのレンズの集合体と光ファイバーです。集光器は家の周囲に設置され、太陽の光を自動的にレンズで集めます。集められた光は、光ファイバーを通って室内に供給されます。

たとえ窓のない部屋であっても、光ファイバーさえ通せば好きな場所に自然光を取り入れることができます。ガスも電気も使わない、エコな設備です。

自然光が入り込みやすい間取りにしよう

ご紹介したように、自然光を取り入れるためには、適切な方法をとる必要があります。単に自然光を取り入れたいからといって窓の数を増やすだけのような無計画なやり方では、効果が薄いどころかプライバシーが侵害されてしまう恐れもあるでしょう。

自然光を取り入れるには、設備だけでなく、間取りに工夫を施すのも有効です。たとえば、1階にあるリビングを明るくしたいのであれば、中庭を設置して開放感のあるリビングにするといいでしょう。オーニングやひさしをとりつければ、明るさだけを取り入れ、暑さを抑えることができます。

建物をL字型の構造にするのも良い方法です。日当たりの良い南側に多くの部屋を配置することができるため、自然に採光のいい家にすることができるでしょう。

土地面積が狭い場合や周囲の家との距離が近く、採光を確保するのが難しい場合は、2階リビングを採用するのが有効です。あえてリビングを高い位置におくことで、周囲の物に採光を妨げられることなく、プライバシーも容易に確保できます。

間取りと設備、それぞれに工夫を施して、明るい家を手に入れてください。

自然光を取り入れる工夫により、資源を使わずに室内を明るくすることで自然環境に配慮した暮らしを実現できる。

新しい建物を建てるにあたっては、最初にその場所の「地盤調査」を行わなくてはなりません。地盤調査とは、土地に建物を支えるだけの十分な強度や安定性があるのかどうかを確認するための調査です。

以上のような心配を抱えている方にとっては、ぜひともしっかりとした調査をして、憂いを取り除いておきたいところでしょう。

しかし、地盤調査には専門的な知識、技術が求められるため、一般人にはわかりにくい部分が多々あります。そのため、「業者が嘘をついて余計な工事をさせられるのでは?」「危ない地盤なのに『大丈夫です』と黙っておかれるようなことはないか?」と心配になる方もいるでしょう。

そこで今回は、一般の方にはわかりにくい「地盤調査のポイント」についてご説明します。

主要な3つの地盤調査法を比較しよう

主な地盤調査の方法として、スウェーデン式サウンディング(SS)試験、ボーリング試験、表面波探査法の3つがあります。

SS試験とは、スクリューポイントを土中に貫入させ、その際に必要となる荷重と回転数から地盤の強さを調べる方法です。最も容易な方法のため、調査にはあまりお金がかかりません。また、狭い場所でも簡単に地盤を調べることができます。ただし、途中に瓦礫や固い石などがあると調査が難しくなります。

ボーリング試験とは、地面に穴を開け実際に土を採取して地盤の強さを調べる方法です。サンプルを採取して調査ができるので詳細な分析ができますが、その分SS試験よりコストがかかってしまいます。

表面波探査法とは、地面に「揺れ」を起こし、その振動の伝わる速さによって地盤を調べる方法です。SS試験やボーリング試験に比べてコストはかかりますが、特定の「点」ではない「面」の調査ができます。地盤の一部に瓦礫や石が堆積していても、問題なく調べられます。

また、地盤調査の方法は、土地によって適した手法が異なります。基本的には業者から適した調査方法の提案があるはずなので、施主が方法を選ぶ必要はありません。

業者に不信を感じたら質問してみよう

地盤調査を行う際、業者から「A試験ではよくわからなかったので、新たにB試験を行いたい」と言われることがあります。このとき「余計な調査を水増しして建築費用を多く取ろうとしているのでは?」と疑いを持つ方もいるでしょう。

確かに、悪質な業者はいるかもしれませんが、こうした提案はよくあることなので、特別に疑ってかかる必要はありません。当初、実施した調査方法が適していなかった場合は別の方法を試す必要があります。たとえば、「SS試験を試みたが、土中に瓦礫や石が多くて調査が難航した」というような場合です。そのようなときはお金がかかりますが、別の調査法を試す以外にはありません。

また、「A調査では悪い結果が出たが、B調査の良い結果を尊重する」と言われることもあります。「悪い結果を隠そうとしているのでは?」と考えてしまうかもしれませんが、こちらもよくあるパターンです。土地によって「信頼できる調査方法」はそれぞれ異なります。「この土地ではSS試験よりも、表面波探査法の結果のほうが信頼できる」という場合は、あえてSS試験の結果を無視してしまったほうが、より適切な調査結果を示すことができるでしょう。

業者を不審に感じた場合は、「なぜこの調査が必要なのか?」「なぜこの調査結果を無視するのか」と質問してみてください。信頼できる業者であれば、はっきりとした回答をして説明してくれるはずです。

「目に見えない部分の努力」が、長持ちする家を実現する

地盤調査の結果、地盤に十分な強度がなく、改良しなければならないということもあります。地盤改良は目に見えない部分に手を加えることなので、「コストを抑えたい」と考える方も多いでしょう。しかし、「目に見えない部分」を軽視してはなりません。長い目で見れば、後々、災害時に地盤に関する問題で建物に影響を受けるよりも、あらかじめ地盤を改良して建物にふさわしい状態にしてから、建てるほうが、経済的にも、気持ちの上でも良い結果が得られるでしょう。

しっかりとした地盤調査・地盤強化を行なっておくことが、災害対策はもちろん、住まいを長持ちさせることにつながる。

1995年に発生した阪神・淡路大震災では、未曽有の被害が発生し、多くの犠牲者が生まれました。その8割以上が自宅で亡くなっており、死因を見ると、神戸市内では犠牲者の83%が家具の転倒による圧死、窒息、頭部や内臓などの損傷が原因で亡くなっています。

この悲劇が二度とくり返されないよう、現在の家づくりでは、「耐震」「免震」「制震」といった構造を取り入れた、地震に強い家づくりが求められています。なかでも注目したいのは、地震の際に家具などの転倒を防ぎ、被害を最小限に抑える「免震」の構造です。

今回は、このような悩みごとを抱えた方のために「免震」の構造について解説したいと思います。

家具転倒を防ぐには「免震」に注目しよう

地震に強い家づくりを考える際、「耐震」という考え方があります。「耐震」は、「地震の揺れによる影響に耐える」ことが目的。主に建物の基礎や構造を強靭にすることで、建物そのものが揺れによる影響に耐えられるようにしています。

「耐震」対策がしっかり成されている建物は、震度6~7クラスの揺れにも耐え、倒壊・崩壊することはないと言われています。ただし、「耐震」構造は、建物の揺れを防ぐわけではありません。大地震で建物が大きく揺れると、室内の家財道具が破損・倒壊したり、建物そのものがダメージを受けるリスクがあります。

一方、「免震」の考え方は、「地震による建物の揺れの影響を抑える」ことを目的としています。地面から建物を切り離すイメージで考えてください。家具の転倒や、建物へのダメージを抑えたいのであれば、この「免震」の考え方を取り入れるのが有効です。

免震装置は、地震の揺れを「受け流す」

それでは、どうやったら「免震」構造の家が建てられるのでしょう。一例としては、建物に免震装置を取りつける方法があります。免震装置を建物と建物が建っている地面との間に設置し、そこで地震の揺れを吸収する方法です。大きな揺れがきても建物はゆっくりと並行に揺れますが、免震装置に揺れが吸収されるため、一定以上の幅で揺れることはありません。この免震装置を導入すると、家具の転倒を予防する効果も期待できます。

「免震」の考え方では、地震による揺れを受け流し、建物に対する影響を軽減させます。いわば、地震の揺れに対して合気道や柔道で言うところの「受け身」をとっているようなものです。建物や家財道具の被害を抑えるので、地震後もスムーズに通常の生活に戻ることができます。

免震装置のデメリットについて考える

「免震」の考え方を家づくりに取り入れる場合、注意しておかなければならないことがあります。いくつかのデメリットがあるため、あらかじめチェックしておきましょう。

まず、通常の家づくりよりもコストがかかります。木造住宅の場合は300~600万がプラスされると言われています。また、この「免震」構造を実現できるハウスメーカーや工務店は限られているため、注文先を選ぶ必要があるでしょう。軟弱地盤に免震装置を設置するのは難しいので、「どうしても」というのであれば地盤改良が必要になり、さらにコストがかかります。 さらに、免震装置を設置した建物は、地震が起きると揺れの力を逃がすため水平方向に動きます。衝突を防ぐため、建物の周囲にプラスαの空間が必要となり、敷地にロスが生じます。また免震装置を挟んだ建物は、1階の床が通常の住宅より高くなるため、高さ制限のあるエリアではプランが制限されるかもしれません。複雑なプランはNGになる場合もあります。

いくら地震の被害を防ぐためとはいえ、こうしたデメリットに「我慢できない」という方もいるでしょう。そのため、免震装置の採用を検討しているときは、あらかじめ自分の理想とする住まいの形や間取りについて、考えをまとめておきましょう。「自分が理想とする住まいは、免震装置を取り入れたとしても実現できるかどうか」をチェックしてから建設計画を決定すれば、後で後悔しなくてすみます。「免震をとるか、それとも間取りをとるか」。自分の中での優先順位を決めておくことが理想の住まいを実現するコツです。

免震装置を住まいに取り入れれば、「地震に強い家」を実現できる