カウンターキッチンと比較、フルフラットキッチンの使い勝手は?

掲載日:2016/03/24

更新日:2020/07/03

最近は、キッチンの調理台を「フルフラット」にする家庭が増えています。フルフラットキッチンとは、調理台の前に収納スペースがなく、台の端からもう片方の端までの高さが同じ形式のこと。ビルトインのIHクッキングヒーターが取り付けられているものを目にしたことのある方も多いでしょう。

  • 料理してから食卓に運ぶまでの流れを楽にしたい
  • 段差のない対面型キッチンで家族と食卓を囲みたい

という方にとっては、まさにぴったりともいえるフルフラットキッチン。果たして実際の使い勝手はどのようなものなのでしょうか?

邪魔なカウンターがないので配膳が楽で掃除がしやすい

フルフラットキッチンの特徴をわかりやすく紹介するために、調理台の全面に収納スペースがついている既存の「カウンターキッチン」と比較してみることにしましょう。

まず、フルフラットキッチンのメリットとしては、「対面側からでも手元がよく見える」ことが挙げられます。調理場を挟んで邪魔になるものがないので、会話もスムーズに行うことができるでしょう。

また、配膳の際もカウンターがなく邪魔になるものがないため、料理を盛り付けたお皿をそのまま配膳することができます。カウンターキッチンの場合はダイニング側から調理台の手前側に回るか、もしくはカウンターの上に食事をいちいちあげなければ配膳できません。

掃除のときも、フルフラットキッチンならふきん一枚で調理台の端から端まで簡単に拭くことができます。

カウンターがないことがときにはデメリットにも

続いて、デメリットについてもご紹介しましょう。カウンターには収納としての役割がありますが、フルフラットキッチンにはついていないため、収納スペースが不足してしまう可能性があります。また、通常であればカウンターに阻まれて対面側には飛ばない油はね、水はねも関係なく飛んでいってしまいます。

カウンターにはもうひとつ「来客からの目隠し」という重要な役割があります。カウンターがあれば、調理台が少し散らかっていても来客からは見えにくいですが、フルフラットキッチンではきちんと片付けておかないと、散らかっていることが丸見えになってしまいます。

「デメリットを緩和する方法」を取り入れよう

フルフラットキッチンを採用しつつも、こうしたデメリットに対応することは不可能ではありません。まず、水はね・油はね対策としては、コンロや水周りにガラス状の板を取り付けるという方法があります。これなら、対面側との見通しやすさを確保しつつ、水はねや油はねを防ぐことができるでしょう。

「収納スペースの不足」に対しては、調理台上部に吊り戸棚を設けるという方法があります。目線よりも上の位置に取り付けることで、対面側との見通しを確保しつつ、収納スペースを増やすことが可能です。

また、「フルフラットにしたいけど、完全にカウンターがないのも不便そう」という方には、折衷案として「背の低いカウンター」を取り付けるという方法もあります。高さを10cm程度にしておけば、配膳にもそこまで苦労することはないでしょう。

フルフラットキッチンを採用するときは、このようにデメリットに備えた対策を講じておくことが肝心です。どのようなキッチンの形が望ましいか、家族とよく相談して決めるようにしましょう。