緑に囲まれた家を実現する、屋上緑化がもたらす効果とは?

掲載日:2016/01/05

更新日:2020/07/03

  • 環境への負荷を抑えて暮らしたい
  • 自然に囲まれた家で暮らしたい

こうした家づくりの願望を最も率直に叶える方法は、建物自体を植物に囲まれたものにすることでしょう。たとえば、屋上緑化などはよく知られた方法です。見た目もまさに「自然に囲まれた家」となるので、多くの方が憧れを持っていることと思います。

新築住宅に屋上緑化を施す際の注意点や、どのような効果をもたらすのかをご紹介しましょう。

劣化低減・住環境向上・周辺環境向上などの効果が期待できる

屋上緑化がもたらす効果は、単なる視覚的な変化だけではありません。建物を劣化させる大きな原因のひとつに太陽の光があります。太陽光に含まれる紫外線を浴び続けることで、建物は少しずつではありますが、次第に劣化していきます。屋上緑化を施せば、植物が建物を太陽光から守る盾代わりになってくれるため、劣化を低減させる効果が期待できます。

太陽の光が遮られるということは、建物内部の温度変化が緩やかになるということ。冷暖房費や光熱費の削減につながります。また、建物自体が熱を持つのを予防することができるので、ヒートアイランド現象を緩和し、周辺を涼しくする効果があることも見逃せません。

落ち葉と水やりの処理に注意

建物に屋上緑化を施すにあたって、注意しておきたいポイントがいくつかあります。まず、枯れ葉や落ち葉が周囲に落下し、近隣住民の迷惑になる可能性があります。使用する植物の選定や、ご近所とのつきあい方に注意してください。

植物を育てるためには、水やりが欠かせません。水やりは人が行うやり方と、自動灌水システムを使用する方法があります。自動灌水システムは便利ですが、人力でやる場合よりも初期費用が多く必要です。一方、人力は安価ですが手間がかかるのを忘れないでください。

最大の懸念は「雨漏り対策」

なかでも、最大の注意点といえるのが、雨漏りを防ぐことです。植物を生育させるためにはある程度屋上に水を保持しておく土の層が必要になります。しかし、排水に支障をきたせば雨漏りが生じ、建物が壊れる原因になることも……。

コンクリート造の場合は、防水対策を施せば必要以上に心配する必要はありません。そのため、屋上緑化は多くの場合、コンクリート造の住宅で採用されています。

木造住宅では、防水方法の選択に注意が必要です。FRP防水と呼ばれる、プラスチックの塗膜によって防水処理を施す方式では、地震の揺れなどによって防水箇所にひび割れが生じ、雨漏りが発生してしまうことがあります。一方、金属防水を採用すれば、揺れで防水効果が低減してしまう心配はありません。「木造住宅で屋上緑化するなら金属防水」と覚えておいてください。