住友林業、日本初、CLTを活用した木造郵便局を施工

NEWS(トヨタホーム)

掲載日:2022/04/18

住まいを彩る銘木と理想を叶える自由設計を打ち出す住友林業は、国内の郵便局として初めてCLT(直交集成板)*1を活用した丸山郵便局(千葉県南房総市)の施工を担当しました。丸山郵便局は日本郵政グループが推進するカーボンニュートラルの実現をめざす環境に配慮した郵便局(「+(ぷらす)エコ郵便局」)の第1 号店舗として、2022年3月22日に開局しました。木のぬくもり溢れる地域に密着した郵便局が誕生します。


木造平屋建ての建物はスギ材のCLTを壁、スギ・ヒノキのハイブリッドのCLTを屋根に使用。長さ2m×幅12mのCLTをクレーンで屋根部分に設置。壁は90~150㎜厚、屋根は210㎜厚、使用したCLTは約51m3になります。壁と天井部分はCLTが現しとなり、木質感のある店舗です。

CLTは直交積層のため寸法安定性があり、高い耐震性を確保できます。一般的な厚みが90~210mm程度のため、断熱性にも優れています。

再生可能な資源である木材を活用することに加え、太陽光による自家発電設備の導入、地元千葉県産の杉材を「焼杉」*2として外壁部分に使用しています。「焼杉」は日本郵政グループの企画により、地域の方々とともに作るワークショップで製作。同社は杉材の調達、供給、杉板282枚の焼杉製作に協力し、それを外壁として施工しました。


住友林業はSDGsの目標年である2030年を見据え、脱炭素社会の実現に向けてあるべき姿を事業構想に落とし込んだ長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を発表しました。脱炭素社会の実現に向け木材による炭素固定は重要で、長期に炭素を固定し続ける木造建築を非住宅でも増やしていく必要があります。今後もロードサイド店舗や公共施設を中心に非住宅建築の木造化・木質化を推進していく、と発表しています。

*1 CLT:クロス・ラミネイティッド・ティンバー(直交集成板)。長い板状の木材を縦横交互に張り合わせた厚型のパネルで、強度や、 断熱性に優れる。

*2 焼杉:焼いた杉板。木の表面を焼き炭化させたもの。その炭化層は防火性・防腐・防蟻効果がある。