ピッキングやサムターン回しを防ぐ、玄関の鍵に施す防犯対策とは?

掲載日:2016/02/05
更新日:2020/07/03
普段ニュースなどを見ていて、「ピッキング」や「サムターン回し」といった言葉を聞いたことはないでしょうか。実は、これらはすべて空き巣が玄関から侵入するときに使う典型的な手口なのです。こうした玄関からの空き巣侵入を防ぐためには、玄関の鍵に防犯対策を施すことが不可欠です。
そこで今回は、
- 空き巣が玄関から侵入するのを防ぎたい
- 鍵の防犯対策をどうしたらいいか知りたい”
という方のために、玄関をはじめとするドアの鍵に施す防犯対策についてご紹介します。
玄関から不法侵入する際の一般的な手口
玄関ドアの鍵を突破して不法侵入する方法としては、ピッキング、カム送り、サムターン回しといった手口が知られています。
ピッキングとは、特殊な道具を使用してシリンダー錠を解錠してしまう手口のこと。一般的な玄関錠は、筒状の穴に棒状の鍵を差し込み、回すことで解錠する形式になっていますが、これがシリンダー錠です。ピッキングの恐ろしいところは、空き巣の素人でも道具を使えば1分もかからずに解錠できることもあるというところでしょう。
カム送りも、シリンダー錠を解錠する手口ですが、ピッキングとは異なり鍵穴そのものの中には工具を入れません。シリンダー錠の外側を覆っているカバーに隙間を開け、そこから工具を入れることで解錠する方法です。
サムターン回しは、上記2つの方法とは少しやり方が異なっています。玄関ドアは通常、外側だけでなく内側からもつまみを操作して施錠できるようになっています。この内側にあるつまみを「サムターン」と呼びますが、サムターン回しはこのサムターンを家の外側から解除することによって鍵を開ける方法です。主に郵便受けなどから専用の器具を挿入させることでサムターンを操作します。
解錠されづらい形の鍵を採用する
ピッキング、カム送りに対する防犯対策としては、それぞれの方法に対応した防犯性能の高い製品を採用するのがいいでしょう。シリンダー錠には、ディスクシリンダー、ピンシリンダー、マグネットシリンダー、ディンプルキーなど、さまざまな種類があります。
ディスクシリンダーは、最も一般的なシリンダー錠の種類です。鍵の上下にあるデコボコが特徴で、これが見られる場合はディスクシリンダーであると考えていいでしょう。シリンダー錠の中では最もシンプルな形で、空き巣被害に合いやすい形といえますが、現在でも戸建て住宅の5割以上で使われています。
ピンシリンダーは、複数のピンが一列に並んだ鍵穴に鍵を挿入して開錠するタイプのものです。耐ピッキング性能はディスクシリンダーよりも高められていますが、「バンプキー」と呼ばれるピンシリンダーだけをターゲットにした不法侵入用の道具もあるので注意してください。
マグネットシリンダーとは、鍵の側面と鍵穴の中に磁石が埋め込まれている製品のことです。開錠に磁力を使うため、通常の工具では開錠が難しく、防犯効果は高いといえます。
ディンプルキーとは、鍵の横表面にデコボコした複数の窪みがあるタイプの製品のことです。窪みにはピンシリンダーと同じようにピンが接触することで鍵の形を識別しますが、同じようなピンが一列に並んでいるピンシリンダーと比べると、形も大きさも異なるピンが複雑な形状に並んでいるため、防犯性能がより高められています。
サムターンカバー、補助錠を取り付ける
サムターン回しは錠そのものには触れられないため、別の対策が必要になります。玄関の郵便受けの内側にカバーを設置し、工具を自由に入れられないようにするのもいいでしょう。また、サムターンの周りに筒状のカバーを取り付けるのも有効です。
さらに、サムターンとは別の補助錠を取り付けるのもいいでしょう。物理的に侵入を妨害するのはもちろんですが、鍵がひとつ増えればその分開錠にかかる時間は増えるため、空き巣も侵入を諦めるかもしれません。心理的な効果を期待したテクニックも有効だと覚えておいてください。
複合的な対策を取ることで、防犯効果はより高まる
ここまで、玄関ドアに施す防犯対策を紹介してきましたが、それだけで十分とはいえません。空き巣は不法侵入の手口を日々より巧妙なものへと進化させています。たとえ今、現在は解錠されにくい鍵だったとしても、いつ、その前提が覆されることになるかはわからないのです。
ですから、不法侵入に対する対策は、複合的に行うことが重要です。具体的には、玄関の前に監視カメラを取り付けるのもいいでしょう。監視カメラは、鍵の防犯性能とは異なる方向から住まいの安全性を高めてくれます。侵入者は「カメラ」と「玄関ドア」という2つの障害を同時に突破しなければならなくなるので、侵入の難易度がよりアップすることになるのです。
是非皆様のご自宅も、大切な玄関には複合的に防犯対策を施し、安全な暮らしを実現してはいかがでしょうか?