素材を活かし自然と調和する「数寄屋造りの家」とは?

掲載日:2016/03/18

更新日:2020/07/03

新しい家を建てるとき、「和の趣が感じられる家」を建てたいと考える方は多いと思います。しかし、「和」というのは大きなジャンルです。その中はさらに細かいジャンルに分かれています。

  • 和風の家にあこがれている
  • 四季の変化を感じられる家を建てたい

今回は、こうした悩みを抱える方々のために、「和の趣が感じられる家」の中でも「数寄屋造りの家」に注目してご紹介したいと思います。「数寄屋造りの家」とは一体どのようなものなのでしょうか?

数寄屋造りの家は茶の湯から生まれた

「数寄屋造りの家」とは、簡単に言うと「茶室がある家」のことです。安土桃山時代、千利休によって「茶の湯」という芸術が出現しました。茶の湯には派手さよりも、質素な中に趣を見出す美意識があります。それ以前の日本家屋は、身分が高くなるほど豪華で派手なデザインとなり、いわばステータスシンボルとしての役割を持つものでしたが、茶の湯は質素な中に存在する美しさを活かした「数寄屋造り」という新しい家の形を創りだしたのです。

素材そのままの形を活かすのが特徴

数寄屋造りの家の特徴は、数多くの建材や建具を用いた、優れたデザイン性にあります。たとえば、木を材料として使うときは、きちんとした板に成形するのではなく丸太の丸みをそのまま活かして部屋の中に取り入れるのです。竹に節があればそのまま使う、木に木目があればそのまま使う・・・というふうに、素材が持つ自然の形を住まいに取り入れるのです。

主に用いる材料としては、今挙げた木や竹のほか、土壁や板ガラスなども使用します。建具としては、一部を動かして外の様子を見ることができる雪見障子・猫間障子といったものがよく使われることで有名です。

自然と調和する暮らしを実現

「素材そのものが持つ自然な形を活かす」という特徴から、数寄屋造りの家は周囲の自然と高い親和性を発揮します。「周囲の四季の変化を感じながら日々を過ごしたい」という方にはまさにうってつけだといえるでしょう。また、屋根のひさしが長いのも特徴で、夏には日差しを防ぐのに重宝します。ほぼすべてが自然素材でつくられることから、健康的な住まいであるともいえるでしょう。

デメリットとしては、素材が高価なこと、施工できる職人が限られる、といった点が挙げられます。そのため、数寄屋造りの家を建てたいのであれば、施工業者選びが重要なポイントになるといえるでしょう。家は大きな買い物です。あとで後悔しないためにも業者の下調べは事前によく行なっておきましょう。