大容量でも出し入れは難しい?小屋裏収納の賢い利用法

掲載日:2015/12/01

更新日:2020/07/03

住まいを考えるとき、多くの方が注目するポイントのひとつが「収納」です。

  • 大容量の収納がある家を造りたい
  • 建物の床面積は最小限に抑えたい

こうした悩みは家づくりにつきものです。

収納のひとつの形式として、「小屋裏収納」と呼ばれるものがあります。ロフト、天井裏などと呼ばれる収納空間のことですが、ものをしまうためのスペースとして新築時に設置する人も少なくありません。

小屋裏収納を賢く利用するためには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?

小屋裏収納は、床面積に含まれない。

建築基準法には「天井高が1.4m以内で、床面積の1/2以内の広さであれば、床面積に含まなくてよい」という記載があります。小屋裏収納は、この点を利用して条件に当てはまる部分を収納空間として利用したものです。

先にご説明したとおり、天井裏などの空間が利用されることが多いですが、家の各階の間に人工的にこの条件に当てはまる空間を作り出し、収納として利用することも可能です。

建ぺい率を抑え、収納スペースをまとめられる

ここからは、小屋裏収納のメリットとデメリットについてご紹介していきましょう。

住宅建設の基準のひとつに、「建ぺい率」と呼ばれる指標があります。建ぺい率とは、敷地面積に対する建物面積の割合を表したものです。たとえば、敷地面積が同じでも広々とした庭がある場合より、敷地の多くが建物で埋まっている場合は建ぺい率が高くなります。防火および住環境に配慮するために定められる指標で、建ぺい率が80%を超える建物は建設することができません。先ほどご説明したとおり、小屋裏収納は「床面積に含まれない」ため、建ぺい率を抑えることができるのです。

また、純粋に収納としてのメリットもあります。高さや広さに制限があるとはいえ、物をおいておくだけなら十分だといえるでしょう。ものを一室にまとめて置いておける分、個々の部屋にある収納スペースを削減することができます。

たまにしか使わないものをまとめて収納しよう

最後に、小屋裏収納のデメリットと、それらへの対処法をご紹介しましょう。小屋裏収納は、あくまでも収納のための空間です。そのため、居室として利用することはできません。「作ったときは収納にするつもりだったけど、子ども部屋として使おう」というわけにはいかないので注意してください。

また、「天井高を1.4m以内にしなくてはいけない」という制限もなかなか面倒です。大人が背筋を伸ばして出入りできる高さではないので、日常的にものを出し入れするのは決して楽とはいえません。

これらのことから考えると、小屋裏収納とは「大容量ではあるが、こまめにものを出し入れするには不向き」なのが特徴であるとわかります。この特徴を最大限に活かすのは、「あまり出し入れしないものをたくさん収納しておく」のが有効です。

「あまり出し入れしないもの」といえば、季節ものが挙げられます。扇風機や石油ファンヒーターといった季節もの家電、スノーボードやスキーなどの季節もののスポーツ用品、夏服、冬服などが考えられるでしょう。

家を建てるときは、これらの「たまにしか使わないもの」がたくさん家にあるかどうか考えてみてください。もし、たくさんあるのでしたら、小屋裏収納を有効に活用することができるでしょう。