コロナ禍の今、「地方移住」について考えてみる

掲載日:2020/12/07
リモートワークが浸透するにつれ、都市部を離れ、地方で暮らすことに改めて注目が集まっています。特にマイホームの建築を考える方にとっては、自然環境の良さや、地価の安さなど、メリットが多く感じられると思います。 そこで、都市から地方への移住について、まずはデータから考えてみましょう。
在宅勤務・テレワークにより、地方移住が視野に
総合住宅展示場を運営する日本経済社が2020年10月に行った調査によると、注文住宅の購入・建築を検討している人のうち、コロナ禍により「地方や郊外での生活を視野に入れた」という人が全体の28.3%となり、特に重視しているという人も全体の一割近くにのぼりました。
調査地域:一都三県
調査対象:2年以内に、注文住宅の購入・建築を検討している人 300名
その他にも「家族で過ごす時間を大切にしたい」「通勤の利便性よりも環境を優先」「近くに公園や自然があるほうがいい」など、仕事中心で検討をしてきた新しい住まいを、環境重視で考え直す人が増えているようです。
地方に住む魅力は、「自然環境」「生活費」
では、移住を希望する人は、地方での暮らしにどのような魅力を感じているのでしょうか。
国土交通省が2015年に実施した調査を見ると、地方への移住を希望する人が地方での暮らしに魅力に感じているところは「自然環境が豊か」「生活費の安さ」「時間的余裕」「広々とした居住環境」と続きます。
実際に地方に住んでいる人よりも、移住希望者のほうが強く感じているものの、おおむね同じような魅力を感じているようです。
地方に移住してみて実際に感じたことは?
では、実際に地方に移住した人が、どのような変化を感じたのかを見てみましょう。
次のグラフは、実際に転職を伴って地方に移住した人が、生活環境について移住前に想定していたより「よかった」「悪かった」と感じた割合を示したものです。折れ線グラフは「よかった」「悪かった」の差し引きの数値をあらわしています。
差し引きで一番よかったと感じられているのが「買い物環境」。そして2番目に「居住環境」と続いています。買い物環境を確保しつつ、都市部と違って広い家で暮らせるのはやはり大きな魅力ですね。
地方移住、人気のある地域は?
実際に地方移住に人気のある都道府県はどこでしょう?
第1位 長野県
3年連続で1位を獲得している長野県。長野市や軽井沢市は北陸新幹線で東京まで約1時間、松本市は特急で名古屋や新宿に1本で行けるという利便性の高さもさることながら、北海道を除く都府県で最も多い77市町村がそれぞれの特色を活かし、積極的に移住の魅力を発信していることも人気の理由のようです。
第2位 広島県
2018年は6位でしたが、2019年は2位と大躍進。瀬戸内ライフ、新しい働き方、カープ移住や食をテーマにした移住相談会を開催するなど、広島の資源や魅力を再確認しながら、多様な暮らし方の提案・発信を行い、若年層を中心に人気を集めています。
第3位 静岡県
全世代から幅広い支持を集めている静岡県。首都圏や名古屋地区へのアクセスの良さと豊かな自然、太平洋に面した地域では過ごしやすい気候などで高い支持を得ています。
人気の各県は環境の良さに加え、各自治体が移住者に向けて魅力的な取り組みをしていることが、移住者が集まる大きな要因になっているようです。
(ランキング出典:NPOふるさと回帰支援センター)
自分にあった移住先を探そう
ランキング上位の道府県以外でも、さまざまな特色のある地方移住の施策を行っています。大自然の中で暮らしたい、今の利便性をある程度確保しながら地方で暮らしたい、地域の産業に従事したいなど、移住後の暮らし方をどうしたいかで、自分にあう移住先は変わると思います。
東京を除く道府県それぞれで移住のためのポータルサイトを開設しています。移住者向け助成金の情報なども掲載されているので、まずはそこからチェックしてみてはいかがでしょうか。