坪単価のからくりを知ろう!

更新日:2020/10/26

注文住宅を建てるなら、自分や家族の希望をすべて取り入れた家にしたいと思うはずです。しかし、ほとんどの人には予算の上限があるので優先順位を決めなければならないでしょう。その予算の目安となり、各ハウスメーカーの建築費の判断材料となるのが坪単価です。坪単価の比較にはいくつか注意点があります。

注意点①:坪数の算出方法

坪単価とは、建物の1坪(3.3㎡)当たりの建築費のことです。たとえば、30坪の建物の建築費が2400万円の場合は坪単価80万円となります。

ここで注意したいのが、坪数の算出方法です。坪単価の算出に用いられる坪数は、一般的には延べ床面積です。これは文字通り建物の床面積の合計のことです。したがって、床がない吹き抜け部分やバルコニー(先端から2メートルまで)、玄関ポーチなどは含まれません。

しかし、ハウスメーカーの中には、坪単価を延べ床面積ではなく、施工面積から算出するところもあります。施工面積には、バルコニーや玄関ポーチなども含まれます。そのため、同じ建物でも延べ床面積よりも数値は大きくなります。つまり、坪単価は、延べ床面積から算出するよりも施工面積から算出した方が少なくなるのです。

注意点②:建物の広さと形状

ハウスメーカーでいう坪単価の多くは、その会社の平均的な坪数での金額になります。しかし坪単価は、建物の坪数によって大きく異なります。なぜなら、広い家でも狭い家でも、一般的にはキッチンやバス、トイレなどの設備の数は同じだからです。たとえば、40坪の家と20坪の家で同じキッチン、バス、トイレを設置した場合、面積の広い40坪の方が坪単価は安くなります。

また、坪単価は建物の形状によっても差が出ることがあります。たとえば、正方形の建物に対して、長方形や凹凸があるものは外周が長くなり、その分だけ外壁材など部材の使用量が多くなるので、坪単価は上がります。また凹凸がある形状は、それだけ工事に手間がかかるので坪単価が上がってしまいます。

建物の形状による外周の違いの例

建物の形状による外周の違いの例

注意点③:設備や部材のグレード

設備や部材のグレードも坪単価を大きく左右します。たとえばシステムキッチンの場合、同じメーカー内でも下位グレードと上位グレードでは、150万円前後の価格差があります。これだけで延べ床面積30坪の家なら、坪単価は5万円の差になります。

部材でいえば、合板フローリングと無垢材フローリングの床、ビニールクロスと珪藻土の壁などでは質感も価格もかなり差があります。
どのくらいのグレードや質感がいいのかは、住宅展示場などへ直接行って現物を確かめてみましょう。

さらにハウスメーカーの中には、エアコンなどの設備やカーテンなどの内装品も込みで坪単価を算出しているところもあります。坪単価を聞く際は、どこまで含まれるか確認する必要があるでしょう。

設備や部材のグレード

別途工事費と諸経費は坪単価に含まれない

上記の「坪数の算出方法」「建物の広さと形状」「設備や部材のグレード」は、各ハウスメーカーによって様々なので、1社1社確認しましょう。一方でほとんどのハウスメーカーの坪単価には、次のような別途工事費と諸費用は含まれないので、別枠で用意しておく必要があります。

「別途工事費」

  • 引き込み工事費:電気やガス、給排水管を敷地内に引き込む工事の費用
  • 地盤調査費:その土地の地盤強度を調べる費用
  • 地盤改良工事費:地盤が弱かった場合に補強する工事の費用
  • 空調設備工事費:エアコンや換気扇などの設備を取り付ける工事の費用
  • 外構工事費:道路から玄関までのアプローチや駐車場を整備する工事の費用

建物は、それ自体が完成しても実際に生活することはできません。電気やガス、水道などのインフラを敷地内へ引き込んだり、敷地周りの塀や駐車場をつくる必要があります。これらの費用は個々の土地によって大きく異なるので、一般的には坪単価に含まれません。別途工事費用の目安は、建物工事費用全体の10~15%です。

「諸費用」

  • 仲介手数料:土地を仲介した不動産会社へ支払う費用
  • 登録免許税:土地と建物の登記の際に国へ納める税金
  • 登記手数料:土地や建物の登記の際に司法書士へ支払う手数料
  • 住宅ローン保証料:住宅ローンを組むために保証会社へ支払う費用
  • 水道加入料:水道を使用するための権利金

これら諸費用も、それぞれの土地や建物によって異なるので基本的には坪単価に含まれません。その目安は、建物工事費用全体の10%前後です。

別途工事費と諸費用を考慮すると、たとえば3000万円が建築予算の上限なら、建物本体価格の予算は2600万円程度となります。

以上のように坪単価は、たとえ同じ金額であっても各ハウスメーカーによって内容がばらばらというのが実状です。ですからあくまで目安と考え、比較する際は、必ずこちらで紹介した注意点を聞いてみましょう。また、いくらハウスメーカーのいう坪単価が安くても、好みの設備や部材を取り入れた家が高くなるのでは意味がありません。重要なのは実際の支払い総額です。気になるハウスメーカーがあれば、理想の家の条件を明確に伝え、見積りを出してもらってから検討するようにしましょう。