家族の輪と在宅勤務の両立を目指す二世帯・三世帯
~独自調査から見る、2020年代の家づくり(10)~

掲載日:2021/03/30
本サイトを運営する日本経済社が行ったインターネット調査では、新型コロナウイルスの流行に伴う、家づくりへの意識の変化が見られました。
第10回は、現時点のお住まいで、二世帯・三世帯が一緒に暮らしている人の家づくりについて、詳しく見ていきます。
調査概要
・目的:新型コロナウイルス感染拡大が注文住宅購入検討層に与えた影響の把握
・時期:2020年10月15日(木)~18日(日)
・調査方法:インターネット調査
・地域:一都三県
・対象:「2年以内に、注文住宅の購入・建築を検討している人」 300 名
※20-69歳
※調査会社保有のモニターから、対象条件に該当する人を抽出
最初から一戸建て志望。計画は具体化、早まっている
今回は、現在二世帯・三世帯で住んでいる人が、コロナ禍を経てどのように家づくりをしているかを、全体の数値と比較して見ていきます。
まず、感染拡大前後での家づくりに対する考え方の変化です。
二世帯・三世帯の人は、最初から一戸建て住宅を検討している人が7割を超えています。その分、マンションからの転向組は少なくなっています。

購入予定時期や計画は、8割以上の人が「具体的になり」、うち27%の人が「購入予定時期が早まった」と答えています。家づくり計画はコロナ禍でも順調に進んでいるようです。

家族のうち3人が在宅勤務という家も
家づくりの検討に感染拡大がどのような影響を及ぼしたか、という設問では、「家族で過ごす時間を大切にしたいと思うようになった」がトップとなり、続いて第2位に「在宅勤務・テレワークの経験」、第3位に「都心マンションの魅力が減少した」が入りました。
第2位の「在宅勤務・テレワークの経験」は45.9%と、二世帯・三世帯の人の半数近くが在宅勤務・テレワークを経験しています。

家庭内で在宅勤務を実施した人数を聞くと、実施した人がいる割合は全体と同じですが、二世帯・三世帯の人は2人以上が在宅勤務を実施した割合が3割を超え、うち3人以上が実施した人が16.2%と、かなり多くなっています。ひとつの家で複数人、さらに3人以上が在宅勤務となると、その影響はかなり大きいと考えられます。

仕事環境やプライベートの確保が優先される
コロナ禍を経て新しい家に欲しいものを聞いた設問では、やはり在宅勤務の影響が大きいことがあらわれています。
複数回答での1位は「家族のプライベート環境」(全体では6位)、5位に「リモートワークを想定した通信環境」(全体では14位)、10位に「仕事専用のスペース」(全体では13位)が入っています。
さらにうち欲しいものを3つだけあげてもらったところ、1位に「仕事専用のスペース」2位に「家族のプライベート環境」が入りました。
複数の世帯が暮らす住宅として世帯別のプライベートについて考えていたところに、コロナ禍により全員の在宅時間が長くなり、在宅勤務をこなすための環境を優先したい気持ちが大きくなっているようです。


オンラインを積極的に活用、プロの話が聞きたい
そんな在宅勤務の環境整備が急務となっている二世帯・三世帯の人ですが、家づくりにおけるオンライン活動も活発に行っているようです。
特にオンライン相談、オンライン講座の値が全体にくらべて大きく、情報収集に余念がない様子がうかがえます。

また、コロナ禍を経た住宅展示場に対する考え方の変化について聞いた設問では、「住宅会社の営業マンの話を聞く場として住宅展示場は必要だと思う」「新型コロナウイルスの感染状況が終息してから、住宅展示場に行きたい」という意見が全体よりも特に多いようです。
先ほどの「オンライン講座」の受講経験が多い点もあわせて考えると、複数世帯が一緒に暮らす家を建てるために、さまざまな知見を求めており、住宅展示場にもプロのアドバイスを受けられる場として期待しているのかもしれません。

まとめ
二世帯・三世帯の人の家づくりをまとめると
・コロナ禍を経て家づくりの計画は具体化、迅速化
・家族とのつながりは大切だが、仕事環境や家族のプライバシーは確保したい
・オンラインでもリアルでも、色々なプロの話を聞きたい
違う世帯がひとつ屋根の下に暮らす二世帯・三世帯の家族。新しい家でも同居するとなれば、さまざまな世代の現在と未来を考えて家づくりをしなければならず、全員の要望をかなえるのは容易なことではありません。さらにコロナ禍を経て、新しい生活様式との兼ね合いも考える必要が出てしまい、悩みは尽きないのではないのでしょうか。
オンラインセミナーの受講や住宅展示場で話を聞きたいなど、プロの意見を積極的に求める回答内容に、その様子が見て取れました。
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