在宅勤務が家づくりに与えた影響は?
~独自調査から見る、2020年代の家づくり(9)~

掲載日:2021/03/22
本サイトを運営する日本経済社が行ったインターネット調査では、新型コロナウイルスの流行に伴う、家づくりへの意識の変化が見られました。
第9回は、リモート勤務の有無がどのくらい家づくりに影響を与えたのか、詳しく見ていきます。
調査概要
・目的:新型コロナウイルス感染拡大が注文住宅購入検討層に与えた影響の把握
・時期:2020年10月15日(木)~18日(日)
・調査方法:インターネット調査
・地域:一都三県
・対象:「2年以内に、注文住宅の購入・建築を検討している人」 300 名
※20-69歳
※調査会社保有のモニターから、対象条件に該当する人を抽出
在宅勤務ありの人はさまざまな選択肢を検討
第2回で、在宅勤務の経験が一戸建てへの転向を後押しし、計画を早めたことに触れました。今回は、在宅勤務がコロナ禍の家づくりにあたえた影響をさらに詳しく見ていきましょう。
まず、今後3年以内の住宅計画についての設問では、どちらも「新しく土地を取得し、一戸建て住宅を建築」が最も多くなっています。ただ、在宅勤務ありの人は、「一戸建て住宅を建て替え」や「新築の分譲住宅」「新築マンション」も値が大きく、さまざまな選択肢を検討しているようです。

在宅勤務が家庭や環境に目を向けるきっかけに
新型コロナウイルスの感染拡大が家の建て替えや新築を検討する理由に影響を与えたことを聞いてみると、在宅勤務ありの1位が「テレワークの実施」、在宅勤務なしの1位は「近くに公園や自然がある方がいいと思うようになった」となりました。2位はどちらも「家族で過ごす時間を大切にしたいと思うようになった」です。
そして在宅勤務ありは「通勤の利便性より環境優先」「地方や郊外での生活を視野に入れた」が大きく、仕事より家庭や環境を優先することも検討している様子がうかがえます。
また、在宅勤務なしは「特に影響していない」が37%と、家づくりにコロナウイルスの感染拡大は全く影響していないという人も多いようです。

オンライン活動の満足度が高い
コロナ禍での住宅会社とのやりとりについて、第4回で在宅勤務ありの人はオンライン活動が多いという結果を紹介しましたが、具体的にどのくらい差があるのかを見て行きます。
在宅勤務ありとなしでは、やはり活動に大きな差が出ています。

今後の住宅展示場に関しては、在宅勤務ありの人は「オンラインでの相談、検討で十分であると思った」が29.7%と、やはりオンラインへの満足度が高いようです。ただ、「実際に見学できる場所として住宅展示場は必要」が46.6%、「営業マンの話を直接聞ける場所として住宅展示場は必要」が31.1%と、住宅展示場へのニーズも充分に保っています。
在宅勤務なしの人は「住宅展示場へ行く意向がなくなった・減少した」の値は低く、「実際に見学できる場所として住宅展示場は必要」は45.7%と、在宅勤務ありの人と同程度の値となっている一方で「感染が終息してから住宅展示場へ行きたい」が13.6%と、在宅勤務ありの人よりも住宅展示場へ行きたい意向は低い結果となっています。
第4回でオンライン活動なしの人は「感染が終息してから住宅展示場へ行きたい」が16.2%という結果が出ていますが、在宅勤務なしの人は、その値よりも低くなっています。

まとめ
在宅勤務あり・なしで比較した調査結果をまとめると、以前に紹介した
・在宅勤務ありの人は一戸建てに転向した人が多い
・在宅勤務ありの人はマイホーム計画が早まり、具体化している
・在宅勤務ありの人はオンライン活動が活発
に加えて
・在宅勤務ありの人は一戸建てにこだわらず幅広い選択肢を検討している
・在宅勤務なしの人は、今後住宅展示場に行きたい意向が低め
ということが見えてきました。
外出自粛などを経て従来のような対面、訪問などでの活動が制限される中、在宅勤務の経験からオンラインへの親和性が高まった層は、ハウスメーカーが用意したオンラインコンテンツを活用することで、積極的に家づくりを進めているようです。その中で、実際の家を体験でき、色々な話が聞ける住宅展示場へ行ってみたいという気持ちが高まっているように見えます。
一方で在宅勤務なしの人は、家づくりの計画に大きな変更がない上に、ハウスメーカーの営業活動との接点が減少したことにより、計画の進め方がゆっくりになっているのかもしれません。
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