在宅勤務経験が家づくりに影響? ~独自調査から見る、2020年代の家づくり(2)~

戸建てとマンションの模型を眺める夫婦

掲載日:2021/01/28

本サイトを運営する日本経済社が行ったインターネット調査では、新型コロナウイルスの流行に伴う、家づくりへの意識の変化が見られました。

第2回は、在宅勤務経験が家づくりに与えた影響を見ていきます。

調査概要

目的:新型コロナウイルス感染拡大が注文住宅購入検討層に与えた影響の把握

時期:2020年10月15日(木)~18日(日)

調査方法:インターネット調査

地域:一都三県

対象:「2年以内に、注文住宅の購入・建築を検討している人」 300 名

※20-69歳

※調査会社保有のモニターから、対象条件に該当する人を抽出

在宅勤務経験が、一戸建てへの転向を後押し

第1回で、コロナ禍を経て家づくりの計画が変更、具体化した層がいることについて触れました。その要因について考えていきたいと思います。

マンション購入から一戸建てに検討を変えた『一戸建て転向層』、コロナ禍を経て計画が具体化した『計画積極派』に、新型コロナウイルス感染拡大以降の在宅勤務経験が影響していることがわかりました。

一戸建て転向層の比率を在宅勤務経験のあり・なしでみると、在宅勤務経験がある人のほうが15ポイント上回ります。また、家庭内での在宅勤務実施人数が2人以上と0人では、2人以上のほうが21ポイントも上回ります。

在宅勤務の経験が一戸建てへの気持ちを後押ししたと言えるでしょう。

左グラフ(在宅勤務経験が、一戸建てへの転向を後押し)右のグラフ(在宅勤務経験が、一戸建てへの転向を後押し)

在宅勤務経験が、計画をより具体的・迅速化へ

同じように、在宅勤務経験のあり・なし、家庭内での在宅勤務実施人数別に、計画の具体性と購入予定時期をみると、在宅勤務経験ありの人の方が、計画が具体的になり購入予定時期も早まっていることがわかります。興味深いのは、在宅勤務を2人以上実施した人は、購入予定時期は変わらないものの、計画が具体的になった人が半数近くいる点です。複数の在宅勤務経験を通じて、住まいをもっとこうしたい、こう変えたいという気持ちが高まったのかもしれません。

左グラフ(在宅勤務経験が、計画をより具体的・迅速化へ)右のグラフ(在宅勤務経験が、計画をより具体的・迅速化へ)

在宅勤務経験は7割、60代も半数以上が経験

参考までに今回の調査の、コロナウイルス感染拡大以降の在宅勤務実施率を、世代別にみてみますと、最も多いのが40代の82%、60代でも半数以上の人は経験している結果となりました。首都圏における働き方の変化、在宅時間の長時間化は明らかといえます。

在宅勤務経験は7割、60代も半数以上が経験グラフ

まとめ

在宅勤務の経験が、家づくりを積極的に進めることの要因になっていることがわかりました。

次回は家にいる時間が長くなったことで、これからの住まいに求めるものはどう変わったのかを見ていきます。