ステイホームで再注目、家族時間・快適空間 ~独自調査から見る、2020年代の家づくり(3)~

戸建てとマンションの模型を眺める夫婦

掲載日:2021/02/08

本サイトを運営する日本経済社が行ったインターネット調査では、新型コロナウイルスの流行に伴う、家づくりへの意識の変化が見られました。

第3回は、在宅時間の長さが、新しい家づくりにどう影響したかを見ていきます。

調査概要

目的:新型コロナウイルス感染拡大が注文住宅購入検討層に与えた影響の把握

時期:2020年10月15日(木)~18日(日)

調査方法:インターネット調査

地域:一都三県

対象:「2年以内に、注文住宅の購入・建築を検討している人」 300 名

※20-69歳

※調査会社保有のモニターから、対象条件に該当する人を抽出

一戸建て住宅の建て替え・新築を検討する理由は?

第2回でご紹介した通り、一戸建て転向層は在宅勤務経験のあり・なしの影響が強いことがわかりました。では、住まいづくり、間取りや住環境も全て仕事優先になってしまったのでしょうか。

コロナ禍前後で、一戸建て住宅の建て替え・新築を検討する理由として変化した項目を聞いてみました。まず、回答者全体をみますと、「家族で過ごす時間を大切にしたいと思うようになった」が41%と最も多く、2位の「在宅勤務・テレワークを経験した、または、以前より実施時間が増えた」を7ポイント上回る結果となりました。続いて、「近くに公園や自然がある方がいいと思うようになった」「通勤の利便性より環境を優先するようになった」といった、環境面を理由の変化としてあげています。

一戸建て住宅の建て替え・新築を検討する理由は?グラフ1

同じ質問を、在宅勤務経験のあり・なし別でみますと、経験ありの人は「在宅勤務・テレワークを経験した、または、以前より実施時間が増えた」とほぼ同率で「家族で過ごす時間」が並んでいます。また、特に重視しているものに限れば、在宅勤務経験のあり・なしに関わらず、「家族で過ごす時間を大切にしたい」が1位となりました。在宅勤務を経験してなお一層、家族と過ごす時間を重視した住まいづくりを検討しているといえます。

一戸建て住宅の建て替え・新築を検討する理由は?グラフ2

一戸建て住宅に求めるものはコロナ禍以前と比べて、どのような変化がありましたか?

間取りや設備に求めるものの変化についてもお聞きしました。回答者全体でみますと、「広いリビングが欲しくなった」が38%とトップ。続く項目も、収納スペース、風通し、日当たり、広いキッチン、と広さと快適性を求める項目が上位になりました。

逆に、仕事専用のスペースは25%とトップ10にも入っていません。それよりも高かった項目は、「家族がプライベートを確保できる個室環境」でした。このことから、広さ、快適性を基本に、プライバシーを保ちつつ、家族と緩やかにつながっていたいニーズが推察できます。

左グラフ(一戸建て住宅に求めるものはコロナ禍以前と比べて、どのような変化がありましたか?)右のグラフ(一戸建て住宅に求めるものはコロナ禍以前と比べて、どのような変化がありましたか?)

在宅勤務経験層も、求めるものは広さと快適性

在宅勤務あり・なしで、欲しくなった間取り・設備のランキングをみても、トップは変わらず、広いリビング。加えて、在宅勤務経験ありの人は、収納、スペース、日当たり、風通し、個室環境、リフレッシュできる自然素材と続き、長くなった在宅時間を、快適に過ごし、仕事とプライベートを切り替えていこうというニーズが読み取れます。

在宅勤務経験層も、求めるものは広さと快適性表1在宅勤務経験層も、求めるものは広さと快適性グラフ2在宅勤務経験層も、求めるものは広さと快適性グラフ3

まとめ

在宅勤務や飲食店の時短営業など、家で過ごす時間が長くなるにつれ、家でどう快適に過ごすかが重要となり、新たな家づくりにも影響を及ぼしていることがわかりました。

第4回では、コロナ禍で住宅展示場の訪問や対面での相談が難しくなっている中、家づくりをしている人たちがどのように情報を得ているのか、「リモートでの家づくり」について見ていきます。