住宅に使われる外壁材の種類と、選び方のポイント

掲載日:2015/10/05

更新日:2020/07/03

新築住宅を建てるときは、家の中身ばかりではなく「美しさ」にも気を配る必要があります。

  • 今住んでいる家の外観に納得がいかないので、デザインを良くしたい
  • 家の外壁が色あせたり、ヒビ割れたりしているのを見つけた

現在、お住まいの家の外観にこんなお悩みを抱えている方はいませんか?住まいの外観の印象を決定づける大きな要素のひとつが、外壁材です。住まいの外壁材にはどのような種類があるのか、それぞれどのような特徴を持っているのかを比較していきましょう。

人気の外壁材はサイディング

現在、住宅に最もよく使われている外壁材に、サイディングがあります。サイディングとは、工場生産されたボード状の外壁材のこと。使われている原料によって、窒業(ようぎょう)系・金属系・木質系・樹脂系など多様な種類に分かれています。工場生産なので品質が安定しており、施工がスピーディに行えるのも特長です。

例として、窒業系サイディングの特徴をご紹介しましょう。窒業系サイディングとは、繊維質とセメントを混ぜあわせて作る外壁材です。デザインのバリエーションが多く比較的安価なため、実に住宅用外壁材の7割以上を窒業系サイディングが占めています(日本窯業外装材協会「新築戸建住宅の外壁材 材料別構成比」[平成29年調査]より)

サイディングのほかに、モルタルやタイルなども外壁材としてよく使われます。モルタルは、砂・セメント・混和剤・水を混ぜ、練り合わせて作ります。仕上げ方によって印象が変わるので、さまざまな色と素材感から選べるのが特長。また粘土を主成分とするタイルは、耐久性と強度に優れており、メンテナンスの手間がかからない点から人気があります。日本の伝統的な外壁材である漆喰も、根強い人気がある素材。消石灰や植物繊維から作られており、高級感ある風合いと高い調湿機能を備えています。

機能性の高さで注目を集めるALCパネル

上記のほか、最近注目を集める外壁材としてALCパネルがあります。「ALC」とは、Autoclaved Lightweight aerated Concrete(高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート)の略称。簡単に説明すると、「小さな気泡をたくさん含んだコンクリートの板」のことです。

ALCパネルには、以下のようなさまざまなメリットがあります。

  • 高い耐火性や遮音性を備えている
  • 軽量で建物に負担がかからない
  • 細かい気泡で高い断熱性を発揮する

このように、外壁材に必要とされる優れた要素を備えており、施工もスピーディに行えます。また耐久性に富んでいるため、長い期間にわたって新築当時の美しい外観を維持してくれます。

外壁と他の要素を組み合わせて、理想の暮らしを実現する

外壁材を選ぶ時は、それぞれのメリット・デメリットを理解し、さらに住むエリアの地域性や環境に合わせてセレクトすることが大切です。

例えば「防火地域」に指定されているエリアでは、防火性の高い指定外壁材や建具の使用が義務づけられています。海に近いエリアであれば塩害に強い外壁材を選ぶ必要があるでしょう。台風や地震に強い家を作りたいのであれば、基礎部分からしっかり仕上げ、さらに軽量な外壁材や屋根材を使用することで、「災害に強い家」を実現することができます。

また、ALCパネルの「断熱性に優れる」というメリットに注目し、断熱性の高いサッシや床暖房システムと組み合わせれば、床暖房で生み出した熱を外部に逃さない「エコな家」を実現することも可能です。

このように、外壁材を選ぶときは、単にデザインの良さだけで選んでいては十分とはいえません。自分がどんな家を造りたいか、どんな暮らしをしたいかといった視点から素材を選び、そのメリットを最大限に引き出す建物を作ることが大切なのです。