失敗しない二世帯住宅の建て方

掲載日:2020/10/02

更新日:2020/10/26

おもに3つに分類できる二世帯住宅

ここ数年、二世帯住宅のニーズが高まっています。その理由は、長引く不況による経済的なことや東日本大震災によって家族が近くにいることの大切さを再確認したことなどがあるようです。

二世帯住宅は、おもに次の3つに分類することができます。

完全同居タイプ

寝室を除き、トイレ・浴室といった水まわりからリビング・ダイニングまですべての生活空間を二世帯(孫がいる場合は三世帯。以下同)で共有するタイプです。昔ながらの同居スタイルです。

部分共用タイプ

玄関だけ共用、玄関とキッチン・ダイニングは共用といったように一部の生活空間を共有するタイプです。二世帯それぞれの生活スタイルや考え方を考慮した同居スタイルと言えます。

完全分離タイプ

玄関から水まわり、リビング・ダイニングまで、すべての生活空間を完全に分けるタイプです。1棟の建物を左右または上下に分けるといった方法があります。また、1つの敷地内に2棟建てる場合も、完全分離タイプと呼ぶことがあります。ほかのタイプに比べ二世帯間のプライバシーは保てますが、水まわりなどの設備がすべて2つ以上必要となるので、それだけ建築費は高くなりがちです。

完全分離タイプ・上下分離タイプイメージ

(左側)完全分離タイプのイメージ

(右側)上下分離タイプの場合は、外階段を設けて二階専用の玄関から出入りする設計も多い

二世帯住宅のメリット・デメリット

メリット

  • 経済的負担の軽減

当然ながら住宅の建築費は、2棟を建てるよりも1棟を建てる方が安価になります。この理由から二世帯住宅を検討する人がもっとも多いのではないでしょうか。また、親世帯が所有している土地に子世帯が建物を建てれば、子世帯は土地の購入費用がかからず、親世帯は建築費をかけずに最新の設備が揃ったバリアフリーの家に住むことができます。

さらに二世帯住宅は相続時の土地の評価額が8割減になります。つまり相続税の軽減にもなるのです。子世帯の状況によって対象とならない場合もありますので、詳しくはハウスメーカーの担当者などに確認してください。

  • 防犯と安心

たとえば、高齢者だけの世帯は空き巣狙いのターゲットになりがち。そこで若い世帯が同居していれば心強いものです。また、万一体調を崩したときも近くに人がいれば安心でしょう。

  • 家事の分担

二世帯住宅に住む場合は、両世帯で家事を分担するケースが多いようです。たとえば、親世帯とっては庭の手入れなど重労働から解放されます。一方で、子育てで忙しい子世帯にとって洗濯や料理など日常的な家事を分担できるのはありがたいことではないでしょうか。

  • 育児のサポート

最近の家庭は共働きが一般的になりました。ところが子どもが保育園などで急に熱を出したら迎えに行かなければなりません。そんなときに二世帯住宅に住んでいれば、比較的気軽に親世帯へお願いできます。また、親世帯は子育ての先輩です。いろいろな場面でアドバイスをもらえるでしょう。

デメリット

  • プライバシーを守りにくい

二世帯住宅は共用する部分が多ければ多いほどメリットは増えますが、一方でプライバシーが守りにくくなります。たとえば、玄関が共用だとお互いにいつ出かけて、帰ってきたのかが分かりやすいもの。夜遅く帰ったときなどは気を使います。また、掃除や洗濯の仕方などは個人によって様々。両世帯で異なることもあるでしょう。そのようなケースで、いろいろと指摘されるのは困りものです。

  • 生活費の分担がしにくい

二世帯住宅にすれば建築費だけでなく、電気・ガス・水道といった光熱費、さらに食費などの生活費の負担も分担できます。しかし、これをどのように分担するのかが問題です。たとえば、昼間家にいることが多い親世帯と昼間は会社や学校へ行っている子世帯で電気代の負担が半々ならば不公平感が生じても仕方がありません。

両世帯で役割分担の話し合いを

以上のように二世帯住宅にはメリットとデメリットの両方があります。建築する前に両世帯、そしてハウスメーカーの担当者とよく話し合い、最適な間取りとそれぞれの世帯の役割分担を明確にしておきましょう。

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両世帯で役割分担の話し合いをイメージ