調査で見る「住宅展示場に行く人ってどんな人?」
―総合住宅展示場来場者アンケート2020(1)

掲載日:2021/04/26
住宅や住環境の質の向上のための企画、運営、普及啓発、調査研究を行う住宅生産振興財団と総合住宅展示場の企画運営に携わる20社で構成される住宅展示場協議会では、毎年全国の総合住宅展示場に来場した方を対象に「総合住宅展示場来場者アンケート」を実施しています。
本シリーズでは2020年の調査の内容を詳しく見ていきます。
第1回は「住宅展示場の来場者」について。アンケートに回答した人たちの情報から、どのような人たちが実際に住宅展示場に足を運んでいるのか見ていきます。
調査概要
目 的: | 総合住宅展示場来場者の住宅計画および総合住宅展示場の利用実態等を分析・把握すること |
時 期: | アンケート依頼 2020年8月21日~9月22日 |
アンケート回収 2020年8月29日~10月5日 | |
集 計・分 析 2020年10月6日~11月2日 | |
調 査 方 法: | 全国32の総合住宅展示場への来場時にアンケートを依頼し、帰宅後に直接記入していただき、後日郵送にて回収 |
データ提供元: | 住宅生産振興財団 住宅展示場協議会 |
調 査: | (株)日本経済社 |
調査概要
◆目 的
総合住宅展示場来場者の住宅計画および総合住宅展示場の利用実態等を分析・把握すること
◆時 期
アンケート依頼 2020年8月21日~9月22日
アンケート回収 2020年8月29日~10月5日
集 計・分 析 2020年10月6日~11月2日
◆調査方法
全国32の総合住宅展示場への来場時にアンケートを依頼し、帰宅後に直接記入していただき、後日郵送にて回収
◆データ提供元
住宅生産振興財団 住宅展示場協議会
◆調 査
(株)日本経済社
2020年は若い人の来場が増加
まずは、来場者の世帯主年代から見てみましょう。34歳以下の若年層、35~49歳の中年層、50歳以上の熟年層に分け、過去5年の調査結果を見て行くと、2020年は若年層の来場者が増加した一方、中年層の来場者が減少し、最も多い世代が若年層となりました。

家族構成と現在の住居は?
家族構成は夫婦と子供のみの核家族が半数を占め、夫婦のみが約4分の1、二世帯、三世帯同居が約1割となっています。

現住居は「借家」が59.9%となっています。これは過去10年で最も高い数値です。現在一戸建やマンションの「持家」に住んでいる人は32.5%です。

3割近くが「住宅計画の内容は白紙状態」
来場者の住宅計画はどのくらい進行しているのでしょうか。
「住宅の内容、価格、住宅会社などの情報を収集している段階」が37.6%と最も多く、次いで「住宅計画の内容は白紙状態で、ばく然と考えている段階」という人が28.2%という結果でした。
積極的に情報収集をする人が最も多いですが、それ以前の、まだ具体的なイメージを持っていない状態で展示場を訪れている人も3割近くを占めています。

気になるお金の話。来場者の年収と建築予算は?
回答者の世帯年収と、建築予算(建物のみ)を見て行きます。
2020年の平均世帯年収は758万円、平均建築予算は2,513万円となりました。
ここ10年の推移を見ていくと、平均世帯年収は758万円と過去10年で最高額となり、昨年から大幅に上昇しています。それにともない、平均建築予算も過去最高を記録し、2,500万円台に突入しました。

世帯主の年代別で過去5年の平均世帯年収の推移を見ると、いずれの年代も2018年から徐々に上昇傾向にあるようです。また、2019年から2020年にかけて、若年層を中心に平均世帯年収が上昇しています。今回の調査では若年層が最も多いのですが、このあたりが建築予算の増加という結果につながっているのかもしれません。

まとめ
総合住宅展示場にどのような人が来場しているのかをまとめると、
・若年層が増えている
・現在は借家に住んでいる人が約6割、持家の人は約3割
・住宅計画が漠然とした段階で訪れる人が3割近くいる
・若年層の年収アップにともない、建築予算も上昇
総合住宅展示場に行く人は具体的な家づくりのイメージを持っているように思えますが、意外にもまだ何も決めていない人も多いことがわかりました。
モデルハウスを見るだけでも楽しいですし、わからないことがあればハウスメーカーの方の話を聞いたり、相談できたりするのは総合住宅展示場ならではのメリットです。漠然とした夢を具体的なイメージにするために、ぜひ気軽に訪れてみてください。