50-60代は、理想の家づくりをリアル志向で実践 ~独自調査から見る、2020年代の家づくり(6)~

ミニチュアの家

掲載日:2021/02/24

本サイトを運営する日本経済社が行ったインターネット調査では、新型コロナウイルスの流行に伴う、家づくりへの意識の変化が見られました。

第6回は、50-60代の家づくりについて見ていきます。

調査概要

目的:新型コロナウイルス感染拡大が注文住宅購入検討層に与えた影響の把握

時期:2020年10月15日(木)~18日(日)

調査方法:インターネット調査

地域:一都三県

対象:「2年以内に、注文住宅の購入・建築を検討している人」 300 名

※20-69歳

※調査会社保有のモニターから、対象条件に該当する人を抽出

建て替え検討が多い世代

第5回まで、全体の調査結果を見てきましたが、今回は、50-60代の調査結果に注目し、この世代の家づくりについて考察していきたいと思います。

まずは、感染前後での建て替え、新築に対する考え方の変化から見て行きましょう。

全体と50-60代で大きな差はありませんが、「以前から一戸建て、今も一戸建て」で考えている人が若干多いようです。

逆にマンションからの転向組は少ない傾向にあります。

新型コロナ前後で一戸建ての建て替え・新築に対する考えが変わったかのグラフ

今後の計画についての設問では、「新たな土地を取得して一戸建てを建築する」「新築の分譲住宅を購入」のいずれも全体よりも少なく、「現在所有する一戸建て住宅の建て替え」が多い傾向があります。

今後3年以内の住宅購入計画の内容についてのアンケートグラフ

家族との暮らしから、自分自身の暮らし方へ

新型コロナウイルスの感染拡大が影響したことを見ていくと、「近くに公園や自然がある方がいいと思うようになった」が1位、「家族で過ごす時間を大切にしたいと思うようになった」が2位、「通勤の利便性より環境を優先するようになった」が3位です。

ちなみに全体では「家族で過ごす時間を大切にしたいと思うようになった」が唯一40%を超えて1位です。

50-60代は、子育てが終わりつつある世代。家族や仕事から、自分自身の暮らしへと視点が移っているのかもしれません。

一戸建ての建て替え・新築を検討する理由として新型コロナ感染拡大が影響したかのアンケートのグラフ

日当たりと風通しが、広いリビングよりも優先

一戸建て住宅に求めるものはコロナ禍以前と比べて、どのような変化があったかという設問を見てみましょう。

全体では上位を占める「広いリビング」や「広い収納スペース」よりも、「日当たり」「風通しの良さ」など、立地や構造から暮らしの心地よさをつくる要素が優先されているようです。

この2つは、立地によっては設計や建てたあとで改善することが難しい要素でもあり、ここを優先するあたりが年齢に応じた住まいについての経験値の高さを感じさせます。

また、「家族の趣味のためのスペース」が上位にあるのも特徴です。こちらでも自分たちの暮らしを楽しんでいこうという意図が見て取れます。

そして、全体的に見て50-60代はどの項目もパーセンテージが高いことから、複数回答で多くの項目を選んでいるようです。全体だと3割以上の人が選択している項目は6位までなのに対し、50-60代は9位までの項目を3割以上の人が選んでいます。ウィズコロナでの理想の家づくりについて、あれこれと積極的に要望を持っているようです。

左の表(一戸建て住宅にもとめるもの・全体)右の表(一戸建て住宅にもとめるもの・50~60代)

展示場志向が強く、オンラインでは物足りない。

コロナ禍の影響で、住宅展示場についての考え方が変わったかを聞いた設問では、「見学の場として、住宅展示場は必要」と答えた人が半数を超えました。また、「オンラインで十分と思うようになった」人が12.9%と、全体の23.7%と比較するととても少なく、展示場志向の強さが見て取れます。

新型コロナ感染拡大の影響を受けて住宅展示場に対する考えが変わったかのグラフ

第4回でご紹介した通り、今回の調査では「在宅勤務経験があるとオンラインでのやりとりの実施率が高い」という結果がでているのですが、50-60代は誰もリモート勤務をしていない世帯が3割以上と、リモート勤務の実施率が最も低い世代です。

ただ、世代別にオンラインでの活動を見てみると、50-60代でオンラインでの活動経験がある人も半数近くいます。満足度はともかく、ある程度オンラインでの活動を経験していると言えます。

新型コロナ感染拡大後のオンラインによる営業活動、情報収集活動の有無についてのグラフ

まとめ

50-60代の家づくりについて調査をひもといてみると

・建て替え、住み替えの人も多い

・住まいに対する経験値が高く、具体的な要望を多く持つ

・家づくりの相談は対面を希望、住宅展示場にも足を運びたい

という結果となりました。

この世代の家づくりは、現状や近い将来の家族の形を考え、それにあわせた家をつくるというよりも、今までの暮らしで感じてきた「こんな風に暮らしたい」「こんな家に住みたい」という形を具現化する、言わば「長年思い描いた理想の暮らしを実現する」という意欲がより高いのではないでしょうか。50-60代で新たな家を建てるという機会を得て、自分たちがさらに満足できる家、暮らしを手に入れるために積極的に要望をかなえようとしている姿を感じました。

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