失敗しない!理想の住まいを一度で手に入れる方法とは

sumainavicenter 1

掲載日:2022/03/23


住まいのナビゲーターとして様々な注文住宅の相談を受けている経験から、「理想の住まいを手に入れる方法」として大切なことをお伝えしたいと思います。


マイホームを持ちたいと思うとき、住宅展示場に足を運ぶことが多いと思います。建売住宅の内覧会や実際に建てられた住宅見学会も行われていますが、それは少し敷居が高いように感じるかもしれません。

家づくりのはじめの一歩として、インターネットで情報収集ということがあります。候補のハウスメーカーがホームページで掲げているポリシーや家の性能、構造、工法、どんなスタイルの家づくりをしているのかなどをあらかじめ見ておくことが大切です。また、土地探しや現地調査、書類の手続きなど、家づくりに関連する作業をお手伝いしてもらえるのか?の情報もホームページなどで確認しておくと良いでしょう。

住まい手の状況は様々なので、ご自身にとって良い依頼先かどうかはインターネット上からでは判断がつきません。ある程度の情報収集ができたところで、ご自身やご家族についての情報を整理し、展示場や現地見学会に足を運ぶことをお勧めします。

住宅展示場で担当者と意気投合し、具体的な計画を始めたお客様からのご相談で「最初は、理想の家が建つと考えて楽しみにしていたが、計画を進めていくうちに希望を叶えるにはオプション工事が必要になったり、できないと言われたりすることがあり、この先どう進めていいのか、続けていいのかもわからなくなった。」ということがありました。このような場合は、一度立ち止まって計画を考え直すことができるチャンスだと考えてください、とお伝えしています。

また、契約前でも依頼先のハウスメーカーの作業が発生することに関しては、その中身を確認しておくことが必要です。万が一、断ることになった場合、違約金が発生する場合には、その金額だけではなく、詳細な項目も書面で交わしておくことが大切です。
相談を行っていてよく耳にすることは、「依頼先をどう選べば良いか?」「展示場に行ってはみたが、決め手がなくて迷っている」など、失敗することを怖がって前に進めないという印象です。

sumainavicenter 2

家づくりの一歩を踏み出すには、「家づくりで叶えたい、絶対に外せない大切なことは何か?」という意思を持ち、依頼先になるかもしれない相手と話せる機会を得たら‘対話’をすることです。初対面で心を開いて話をするのは気が引けるものですが、ご自身の置かれている状況や家族のこと、新しい住まいに求めることなどを語らなければ、依頼先のハウスメーカーに出向いても適切な対応が得られないはずです。住まい手の情報を多く伝えるほど、依頼先からは様々な提案が引き出せますし、対話をすることで依頼先としての対応力や相性も確認できると思います。

依頼先の話を聞いたり、質問したりすることも大切ですが、「100家族あれば100通りの暮らし方」があります。それは住まいに対するこだわりも皆が同じとは言えないということです。「どんな家づくりを目指すのか」というこだわりは依頼先にとっても同じことです。お互いが、メリットやデメリットなどを受け止め合える関係を築くことが大切です。

住まいは暮らす人が違えば、全く異なる要素を持つことになります。依頼先と暮らし方について情報を共有できるよう準備しておきましょう。伝え忘れや聞き忘れがないように、ノートなどに整理してメモを取っていくと良いでしょう。

以前、依頼先のハウスメーカーに希望を伝えている段階のお客様からのご相談を受けたことがあります。「実家の隣に家を建てる計画をしており、敷地に関する作業は進めている。依頼先とこれから間取りなど家本体部分の計画をしていくにあたって準備しておきたい。」というものでした。

そこで、一緒に住まいづくりに関して考える時間を持つことになりました。住まいづくりを計画する前に準備できるのが理想ですが、計画中で行き詰まった際にも効果がありますので、是非行っていただきたいことをお伝えします。

依頼先と対話するために準備しておくべきこと
土地に関すること
建築敷地の有無・建築敷地に望むこと(居住エリアや周辺環境、方位、駐車スペースなど)を整理しておきましょう。
資金に関すること
家づくりにかけられる全体費用(土地や建物本体工事・外構・インフラ・設計・申請手続き・引っ越し・仮住まい)に関する予定をまとめておきます。
*特に建築本体工事(オプションを含む)+外構工事でどの程度の費用を考えているのか依頼先に伝えなくてはなりません。
新しい住まいに求めること
現在の住まいの情報(家族構成、間取りや動線、使い勝手、住み心地)を伝えることにより、これから計画する家のイメージがしやすくなります。どんな暮らし方をしたいか、どんな家をイメージしているのか。新しい住まいに必要だと思うことを3つ程度に絞るのが良いです。希望は多くて構いませんが、全てを満たすのは難しいでしょう。優先順位を決めておくと話をスムーズに進めることができます。
例えば「光と風が通る家」など、ご家族で住まいづくりのテーマを考えておくこともお勧めです。
スケジュール
企画、設計、工事の工程、契約や必要となる資金、支払いのタイミングは、はじめに依頼先に聞いておきましょう。さらに、依頼してからのスケジュールを説明してもらうようにします。わかりやすい説明が受けられるようでしたら、依頼先を決める際の決め手となるかもしれません。ただし、契約を急かすような言葉には気を付けてください。
家を引き渡した後のアフターメンテナンス、保証について
保険、保証、メンテナンス期間についての説明を受けるようにしましょう。
家づくりはほとんどの方が初めての経験なので、誠実で丁寧な対応が得られる依頼先かどうかを見極めることが大切です。

sumainavicenter 3

「家は3度建てないと理想にならない」という文言がありますが、本当のところ生活環境の変化などで、その都度家づくりをすることになります。それが住み替えなのか、建て替えなのか、リフォームなのか。子育て時期、家族の独立、老後など状況次第で理想として建てた家も不都合が生じてくることもあります。そう考えると住まいは変わるチャンスが3度あるということも言えます。現時点で先々まで見越した計画をなどと重く考える必要はありません。

子育て世代では10年、20年先を想定した住まいという思いは大切ですが、建築予算、建築敷地に課せられた条件により、全ての希望が叶うとは限りません。現在、ご自身や家族が必要とする家のスタイルはどのようなものなのか、それはどこまで実現可能かを依頼先と対話する中で理解することが大切です。

依頼先と十分な対話ができていれば、ある程度満足のいく提案を受けることもできると思います。家が出来上がるまでには多くの人が関わります。間違いない依頼先選びが失敗しない住まいを手に入れるための第一歩です。工事着手してからも家づくりに関わる人、担当者や現場関係者とのコミュニケーションは大事で、常に相談ができる体制にしておくことが大切です。


家は暮らし始めてから本当の良さが実感できるということもありますが、それは建てる過程においてどれだけ住まい手が家づくりに参加したことを実感できたかでも決まると思います。

「失敗しない!理想の住まいを手に入れる」は家づくりの過程において依頼先との十分な対話と家づくりに積極的に参加することで、後悔ない家づくりが実現すると思います。

<執筆者>
sumainavicenter 4
小林 輝子
住まいのナビゲーター、一級建築士
2008年より一級建築士事務所を設立、主宰。戸建住宅の新築、建て替え、リフォームの設計に携わる。
2008年より、一般財団法人 住まいづくりナビセンターの住まいのナビゲーター®として住宅相談、セミナー講師を担当。

カタログ請求ボタン
カタログ請求ボタン