満足できる注文住宅を建てる際にこだわるべき点はいくつもあります。デザイン、耐震性、アフターフォローなど、どれも見落としたくない項目でしょう。そのようななかでも最初に理解しておきたいのが、建物の工法です。工法は建物の特徴を決定づける大きな要素の一つ。それぞれにメリット・デメリットがあり、ハウスメーカーによって採用する工法は異なります。そこでおもな工法とそれを採用するハウスメーカーをご紹介します。

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木造軸組工法の特徴とメリット・デメリット

日本の建物の工法として昔から用いられているのが木造軸組工法です。伝統的な工法なので、在来工法とも呼ばれています。

この工法は、木材の柱とそれをつなぐ梁、柱と柱の間に斜めに取り付ける筋交いなどで構成されるものです。柱や梁といった軸材で組み立てるため「軸組工法」という名称になっています。構造的な制約が少なく、狭小地や変形地にも対応しやすいといった特徴があります。

木造軸組工法は、ハウスメーカーに限らず多くの工務店でも採用され、日本でもっとも普及している工法といえます。以前は職人の技術によって施工品質が左右されるものでした。しかし昨今は、工場で加工された木材や集成材などを採用することで、精度のばらつきがなくなりつつあります。また、耐震性を不安視する声もありますが、強度に優れた設計を行い、補強金具などを使用することで他の工法と同等の性能を持たせることが可能になっています。

メリット

デメリット

木造軸組工法を採用するハウスメーカー

住友林業富士住建一条工務店積水ハウス

ツーバイフォー工法(ツーバイシックス工法)の特徴とメリット・デメリット

ツーバイフォー工法は、断面寸法が2インチ×4インチ(約5㎝×10㎝)の木材で枠を組み、合板を取り付けることで壁を形成するものです。日本では枠組壁工法とも呼ばれています。

アメリカ、カナダでは極めて一般的な工法で、現在はヨーロッパ、オセアニア、南米など世界中で採用されるグローバルスタンダードな工法となっています。

軸組工法の場合は建物を柱や梁などの「点と線」で支えますが、ツーバイフォー工法では壁、床、天井の「面」で支えます。そのため強度が高く、断熱性や気密性にも優れた建物となります。また、2インチ×6インチ(約5㎝×約15㎝)」の木材で枠を組むツーバイシックス工法にすれば、より壁が厚くなるので断熱材の量を増やせ、さらに断熱性能を上げることができます。

この工法は、構造材から釘までサイズや施工方法が公的に規定されており、施工品質にばらつきが出にくいようになっています。また構造的に高い強度を持つことから4階建てまでの建築が認められています。

メリット

デメリット

ツーバイフォー工法(ツーバイシックス工法)を採用するハウスメーカー

住友不動産住友林業セキスイハイム富士住建三井ホーム一条工務店

木質系プレハブ工法の特徴とメリット・デメリット

プレハブとは、部材をある程度工場で仕上げて現場に運び、組み立てる工法です。木質系プレハブ工法は、ツーバイフォー工法のような木材の壁を工場で生産します。ただし、工場において断熱材から下地材まで装着し、木質パネルとして現場に搬入するところがツーバイフォー工法と大きく異なります。

木質パネル同士を接着剤や釘によって強固に接合し、壁、床、天井の6面体を形成。高い耐震性・気密性・断熱性を実現します。

また、プレハブ工法ゆえに部材の精度も高く、工期も短くて済みます。

メリット

デメリット

木質系プレハブ工法を採用するハウスメーカー

ミサワホーム

鉄骨系プレハブ工法の特徴とメリット・デメリット

工場生産された鉄骨を使用して建築する工法です。このなかでも柱や梁、ブレース(筋交い)を用いて建てるのが鉄骨軸組工法で、前述の木造軸組工法の鉄骨版といえます。この鉄骨には軽量鉄骨とより太い重量鉄骨があり、後者は3階建て以上などの大規模な建築に採用されます。

そのほかにもラーメン構造といわれる工法もあります。こちらは工場で柱と梁を剛接合してボックス型のユニットを製造し、現場に運んで組み立てます。プレハブのなかでも工場で行う工程が多いので、工期が他の工法よりも短くなります。

メリット

デメリット

鉄骨系プレハブ工法を採用するハウスメーカー

へーベルハウスセキスイハイムミサワホームダイワハウス積水ハウス

コンクリート系プレハブ工法の特徴とメリット・デメリット

コンクリート系プレハブ工法とは、工場で成形された鉄筋入りのプレキャストコンクリートパネル(PCa板)を現場に搬入し、組み立てるものです。工場生産された壁・床・天井による6面体のPCa板は、現場でコンクリートを流し込む工法に比べ、天候に左右されず、安定した品質を実現します。

また、鉄筋コンクリート造ゆえに耐震性・耐久性・耐火性・遮音性に優れており、防火地域でも建築可能です。

メリット

デメリット

どの工法が特に優れているということはありません。すべての工法に対して建築基準法が適用されるので、工法を問わず一定の耐震性や断熱性などの住宅性能は有しています。さらに上の性能を望むのなら、どの工法でも設計や部材の選択次第でほぼ同じレベルにすることが可能です。

したがって工法を選ぶ際の観点は、デザインやコスト、工期、増改築のしやすさ、環境への配慮といったところになるでしょう。最終的にはハウスメーカーの担当者に何を重視するのかを伝え、その回答によって絞り込むことをお勧めします。

「理想の家を建てたい!」。注文住宅を検討する人なら誰もが願うことでしょう。ここで重要なのがハウスメーカー選びです。現在のハウスメーカーは、どこを選んでも建物としては一定レベル以上のものを建ててくれます。しかし、デザインや性能などに得意・不得意があるのも事実。理想の注文住宅を建てる際は、自分や家族の好みとその得意分野がぴったり合っていることが必須です。では、数多くあるハウスメーカーの中からどうやってその会社を探し出せばいいのでしょうか?

代表的な工法の特徴を知る

各ハウスメーカーの違いの中で、もっとも大きなものが工法です。建物は工法によって、得意なデザインや性能が異なります。たとえば、「大開口(窓)がほしい」としてユニット系プレハブ工法を選べば、純和風のデザインは難しいでしょう。まずは代表的な工法の特徴を知り、自分の価値観に合うものを見つけましょう。 工法の詳しい説明は工法名をクリックして下さい。ハウスメーカー名をクリックすると住宅商品一覧を見ることができます。

木造軸組工法(在来工法)

●敷地対応力に優れている  ●設計の自由度が高い

住友林業、 富士住建一条工務店

ツーバイフォー工法(ツーバイシックス工法含む)

●気密性、断熱性に優れている  ●デザイン性に優れている

住友不動産、 住友林業、 富士住建、 三井ホーム一条工務店

プレハブ工法

(1)木質系プレハブ

●工場生産のため品質が均一  ●将来の可変性に優れている

ミサワホーム

(2)鉄骨系プレハブ

●工場生産のため精度・品質が高い  ●耐火性に優れている

へーベルハウス、 セキスイハイム、 ダイワハウス、 積水ハウス

理想の家の条件を明確にする

それぞれの工法の特徴が理解できたら、気になるメーカーのカタログを本サイトから取り寄せましょう。この時点では、それほどメーカーを絞り込む必要はありません。カタログ請求は無料なので「ちょっと気になる」程度でも積極的に請求して基礎知識を蓄えましょう。

各社のカタログを読み込んでいくと、それぞれの得意なデザインや注力している性能などが分かってきます。たとえば、2×4工法のメーカーでは欧風系のデザインが多く、鉄骨系のメーカーは耐震性を重視するといった傾向があります。各メーカー間の違いが分かれば、それらと自分や家族の価値観を照らし合わせて、「どこを重視するのか」「どの程度のレベルまで求めるのか」などの理想の条件を明確にすることができます。

明確にしたいおもな条件には、次のような項目があります。

1. 建物の予算

最終的にはハウスメーカーの担当者と相談して決定すれば問題ありません。この段階では本サイトの資金計画のページを参考にして目安を把握しておきましょう。

2. デザイン

カタログやインターネットなどで好みのデザインを明確にしておきましょう。外観だけでなく、内装も調べておくと、後々の打ち合わせがスムーズになります。

3. 性能

耐震性や断熱性など建物のおもな性能は、数値や等級で把握することが可能です。多くのメーカーのカタログにはこの数値なども記載されているので、どの程度まで求めるのか決めておきましょう。

4. 保証・アフターフォロー

すべての新築住宅は10年間の保証がついています。しかし、それ以降の無料点検の回数や保証期間はメーカーによって異なるので、求めるレベルを決めておきましょう。

5. ランニングコスト

「建築価格は安ければ安いほどいい」という考えでは、後から損をするかもしれません。家は30年、またはそれ以上維持していくものです。建築費にプラスして、冷暖房費や外壁の塗り替えなど30年間でどれくらいのランニングコストがかかるのかも加算して比較しましょう。

6. 自由度

前述のように家は工法やハウスメーカーによって、窓の大きさや天井の高さ、間取りに制限があります。「幅4mの大開口がほしい」「屋上がほしい」といった希望を明確にしておき、この後の展示場見学時に担当者に伝えて実現可能か確認しましょう。

理想の条件がまとまったら展示場めぐりを開始

理想の条件がまとまったら、あとはそれを実現できるハウスメーカーを見つけるだけです。カタログを読んである程度メーカーを絞りこみ、住宅展示場へ相談に行きましょう。

なお、営業担当者にも様々なレベルの人がいます。質問しても「分からない」の一言で終わらせてしまう、または「調べて明日電話します」と言ってかかってこないようなら、レベルの低い担当者ということです。その場合は、ほかの展示場の同メーカーへ行ってみるのも一つの手です。

ハウスメーカーにも得意・不得意分野はあります。カタログや住宅展示場でそれらをしっかり調べたうえで自分のこだわりを明確にし、それを実現できるメーカーを探し出しましょう。

「50代で家を建てる・建て替える」と聞くと、40代以下の中には、そんなことができるのか、と違和感を覚える人もいるかもしれません。しかし、50代で家を建てる人は意外に多く、国土交通省の『令和元年度住宅市場動向調査』を見ると、2回目以上である二次取得者の20%が50代であり、57%が60代となっています(建て替え除く)。

昔から「家は3回建てないと理想の家にならない」と言われています。そういった意味でも50代は家について再度検討する時期ではないでしょうか。そこで50代で家を建てる・建て替えるメリットとデメリットを考えてみましょう。

50代で家について考えるきっかけとは?

50代といえば人生の折り返し地点を過ぎ、後半をどう暮らしていくか考える時期でしょう。この時期は、住まいについても検討する人が多いようです。50代の人が、家の建築・建て替えを考える具体的なきっかけ・理由には次のようなものがあります。

子育てのスタートと同時に4LDKまたは5LDKの家に引っ越したが、子どもが独立したので使わない部屋が増えた、といったケースです。

親が高齢者施設へ入所するので実家を建て替えて住み替えしたい、といったことです。

仕事で忙しくすることがなくなり、子育てが終わったので家にいる時間が多くなったことから夫婦ともども趣味に打ち込める家を建てたい、または建て替えたいという人もいます。

子どもの結婚をきっかけに二世帯住宅への建て替えや住み替えを検討するなどです

自分たち夫婦の老後などを考え、現在の住まいの不満な点を改善し、耐震・断熱性の高い安全で快適な家に住みたい、といったことです。

50代で家を建てる・建て替えるメリット

50代で家を建てる・建て替えることは、多くの人がはじめて家を購入する30代・40代とは違ったこの年代ならではのメリット・デメリットがあります。そのおもなものをご紹介しましょう。

メリット

子どもが独立した後に建てる家ならば、夫婦二人が暮らせる広さがあれば十分です。階段の上り下りの必要がない平屋にしたいという人もいるでしょう。小さな家は建築費が安くなり、屋内の移動距離も短くて済みます。

50代といえば2度目・3度目の家づくりという人も多いはずです。はじめての家づくりは経験不足ゆえに「ああすればよかった」「こうすればよかった」といった部分が少なからず出てくるものです。2度目以降の家づくりならばそういった不満点をすべて改善することが可能です。

50代は定年退職が間近になり、子育てを終えるといったことから趣味に本格的に取り組みたいという人も多いのではないでしょうか。50代の家づくりならば、そういった趣味に没頭できる空間を設けることも可能です。たとえば、ご主人がアウトドア好きならば玄関土間に趣味のものを飾り、靴を履いたままメンテナンスしたり、収納できるスペースを設けることができます。また、奥様の趣味のスペースをキッチン脇に設けることもできるでしょう。

今までよりも小さな家になれば、それだけ光熱費は安くなります。また、最新の家は断熱性、気密性に優れているので、さらに省エネな住まいとなります。

断熱性能が高い家は、急激な温度の変化で心筋梗塞などの原因となるヒートショックの予防にもなります。

50代で家を建てる・建て替えるデメリット

一方でデメリットには次のようなものがあります。

国土交通省の『令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査』によると、金融機関が融資を行う際に考慮する項目のトップ5は次のようなものでした。

1位:完済時年齢(99.0%)

2位:健康状態(98.5%)

3位:担保評価(98.2%)

4位:借入時年齢(96.8%)

5位:年収(95.7%)

上位2つと4位が50代には不利になる項目です。

50代になってからの大きな出費は、老後資金に大きな影響を与えます。年金生活まで見通した無理のない資金計画が必須なのはもちろん、今後の親の介護費用や自身・配偶者の医療費も考慮しなければなりません。

50代は平均寿命から考えればあと30年以上人生を謳歌できます。それゆえ満足できる住まいで暮らしたいと考えるのは当然でしょう。一方で多くの人にとって収入が減っていくのも事実です。それゆえ30代・40代以上に慎重にならざるを得ないでしょう。建てる、建て替えるだけでなく、現在の家の売却益の範囲内で住み替える、子どもと費用を出し合って2世帯住宅にする、現在の家をリフォームするといった様々な選択肢も検討するべきではないでしょうか。その際は、ハウスメーカーやファイナンシャルプランナーなどの専門家へ相談することをお勧めします。

おもに3つに分類できる二世帯住宅

ここ数年、二世帯住宅のニーズが高まっています。その理由は、長引く不況による経済的なことや東日本大震災によって家族が近くにいることの大切さを再確認したことなどがあるようです。

二世帯住宅は、おもに次の3つに分類することができます。

完全同居タイプ

寝室を除き、トイレ・浴室といった水まわりからリビング・ダイニングまですべての生活空間を二世帯(孫がいる場合は三世帯。以下同)で共有するタイプです。昔ながらの同居スタイルです。

部分共用タイプ

玄関だけ共用、玄関とキッチン・ダイニングは共用といったように一部の生活空間を共有するタイプです。二世帯それぞれの生活スタイルや考え方を考慮した同居スタイルと言えます。

完全分離タイプ

玄関から水まわり、リビング・ダイニングまで、すべての生活空間を完全に分けるタイプです。1棟の建物を左右または上下に分けるといった方法があります。また、1つの敷地内に2棟建てる場合も、完全分離タイプと呼ぶことがあります。ほかのタイプに比べ二世帯間のプライバシーは保てますが、水まわりなどの設備がすべて2つ以上必要となるので、それだけ建築費は高くなりがちです。

(左側)完全分離タイプのイメージ

(右側)上下分離タイプの場合は、外階段を設けて二階専用の玄関から出入りする設計も多い

二世帯住宅のメリット・デメリット

メリット

当然ながら住宅の建築費は、2棟を建てるよりも1棟を建てる方が安価になります。この理由から二世帯住宅を検討する人がもっとも多いのではないでしょうか。また、親世帯が所有している土地に子世帯が建物を建てれば、子世帯は土地の購入費用がかからず、親世帯は建築費をかけずに最新の設備が揃ったバリアフリーの家に住むことができます。

さらに二世帯住宅は相続時の土地の評価額が8割減になります。つまり相続税の軽減にもなるのです。子世帯の状況によって対象とならない場合もありますので、詳しくはハウスメーカーの担当者などに確認してください。

たとえば、高齢者だけの世帯は空き巣狙いのターゲットになりがち。そこで若い世帯が同居していれば心強いものです。また、万一体調を崩したときも近くに人がいれば安心でしょう。

二世帯住宅に住む場合は、両世帯で家事を分担するケースが多いようです。たとえば、親世帯とっては庭の手入れなど重労働から解放されます。一方で、子育てで忙しい子世帯にとって洗濯や料理など日常的な家事を分担できるのはありがたいことではないでしょうか。

最近の家庭は共働きが一般的になりました。ところが子どもが保育園などで急に熱を出したら迎えに行かなければなりません。そんなときに二世帯住宅に住んでいれば、比較的気軽に親世帯へお願いできます。また、親世帯は子育ての先輩です。いろいろな場面でアドバイスをもらえるでしょう。

デメリット

二世帯住宅は共用する部分が多ければ多いほどメリットは増えますが、一方でプライバシーが守りにくくなります。たとえば、玄関が共用だとお互いにいつ出かけて、帰ってきたのかが分かりやすいもの。夜遅く帰ったときなどは気を使います。また、掃除や洗濯の仕方などは個人によって様々。両世帯で異なることもあるでしょう。そのようなケースで、いろいろと指摘されるのは困りものです。

二世帯住宅にすれば建築費だけでなく、電気・ガス・水道といった光熱費、さらに食費などの生活費の負担も分担できます。しかし、これをどのように分担するのかが問題です。たとえば、昼間家にいることが多い親世帯と昼間は会社や学校へ行っている子世帯で電気代の負担が半々ならば不公平感が生じても仕方がありません。

両世帯で役割分担の話し合いを

以上のように二世帯住宅にはメリットとデメリットの両方があります。建築する前に両世帯、そしてハウスメーカーの担当者とよく話し合い、最適な間取りとそれぞれの世帯の役割分担を明確にしておきましょう。

当サイトでは二世帯住宅に関する様々な情報が得られるカタログの請求も可能です。ぜひご活用ください。

二世帯住宅を建てる際は、両世帯の全員でプライバシーや役割分担について話し合っておくことがトラブルの防止につながる

「都心に注文住宅を建てる」。多くの人が憧れることではないでしょうか。ここで最大のネックとなるのが、土地の価格が高すぎるということです。もし、手の届く価格の土地が見つかったとしても、かなり狭いものでしょう。そこでぜひ検討したいのが狭小住宅です。狭小住宅には「狭い=暮らしにくい」という印象があるかもしれませんが、そんなことはけっしてありません。工夫次第で想像よりもずっと快適な住まいが実現できます。

意外に多くある狭小住宅のメリット

そもそも狭小住宅とは、どんな住まいでしょうか。実は狭小住宅に明確な定義はありません。一般的には、15坪(約50㎡)以下の土地に建てられた住宅を指すことが多いようです。

「そんな狭い土地に家が建つはずない!」「建てられたとしても全部4畳半以下の部屋だろう」。そう思う人も多いはずです。しかし、工夫次第では意外に暮らしやすい間取りが可能です。具体的には、3階建てで延べ床面積80㎡(約24坪)前後のプランが十分入ります(地形により無理な場合もあり)。間取りもLDK12帖前後、そのほかの部屋も6帖前後と一般的な家と比べても遜色ありません。

つまり狭小住宅は、けっして無理をして暮らす家ではないのです。そのうえで、次のようなさまざまなメリットもあります。

1.価格が安い

もっとも大きなメリットは土地・建物ともに安くできるということでしょう。土地に関しては、狭いと使い道が限られるため、場合によっては相場よりも2~3割安く購入することが可能です。たとえば、東京23区内でも特に交通の便がいい土地は、坪単価300万円前後します。15坪なら4500万円。これが狭小地という理由で、3150万円になることもあり得るのです。土地代だけで1350万円も安くなります。さらに建物がコンパクトになるので、建築費も安くできます。

2.冷暖房効率がアップする。

建物が小さいと、それだけ冷暖房効率がアップします。もし、全館空調システムを導入すれば、効率よく家の隅々まで夏は涼しく、冬は暖かい家が実現します。

3.冷暖房費が安く済む

冷暖房効率がいいということは、それだけ省エネということです。毎月の冷暖房費が安くなります。

4.家事が楽な家になる

暮らしやすいコンパクトな家は、家事動線が短くなります。また、コンパクトな分だけ掃除をする部分も少なくなる。つまり、家事が楽になるのです。

5.メンテナンスが楽になる

建物がコンパクトということは、それだけ傷む部分も少ないということです。したがって、メンテナンスが楽になります。また、それは修繕費用も少なくて済むということにつながります。

6.固定資産税が安く済む

固定資産税の納税額は、土地と建物の評価額に比例します。したがって、物件価格がリーズナブルな狭小住宅は、固定資産税も安く済むのです。

デメリットも理解して対処方法を考える

以上のようにメリットの多い狭小住宅ですが、次のようなデメリットも存在します。暮らしやすい狭小住宅を建てるには、これらをよく理解したうえで、対処方法を考えることが重要です。

1.間取りに工夫が必要

狭い面積で、暮らしやすい間取りを実現するには、さまざまな工夫の積み重ねが必要です。まず、3階建てが前提でしょう。そのほかにも、たとえば以下のような対処方法が考えられます。

2階LDK(リビング・ダイニング・キッチン)

前面道路や周辺建物からの距離が近い狭小住宅では、プライバシーや日当たりを考慮して2階をLDKにするケースが多々あります。この場合、同じく2階にバスルームや洗面室などの水まわりをもってくると家事の効率がアップします。

スキップフロア

床の高さをずらす仕様をスキップフロアといいます。これには中2階も含まれます。建物内の間仕切壁を極力減らし、スキップフロアを設けることで、空間にリズム感が生まれて実際よりも広く感じる効果があります。また、中二階は+αの部屋として書斎や子どもの遊び場などに活用できます。さらに段差の下は収納スペースとしても利用できます。

リビングの勉強スペース

面積の関係で十分な広さの子ども部屋が確保できない場合は、勉強と寝るスペースを分けてしまうという方法もあります。たとえば、普段目の届くリビングを勉強スペースとし、子ども部屋は3帖程度の寝室専用とします。

屋上

せっかく一戸建てを手に入れても、狭小住宅では庭の確保は困難です。そこで屋上はいかがでしょうか。屋上ならば、プランターなどで家庭菜園ができるほか、周りからの視線や煙の心配が減るのでバーベキューも比較的気軽に楽しめます。

ロフト

ロフトとは部屋の天井を高くし、2層にしたスペースです。天井高1.4m以下などの条件を満たせば、容積率に含まれないので、より広い建物が建てられます。天井高は低くなりますが、収納庫や書斎などに十分利用できます。

2.プライバシーを確保しにくい

前述のように狭小住宅は、前面道路や周辺建物からの距離が近いため、プライバシーが確保しにくいという特徴があります。これに対しては、設計担当者とよく話し合って間取りや窓の位置の工夫が必要でしょう。

3.排気に注意が必要

窓を開けたときに、お隣のキッチンやトイレの換気扇があるのは嫌なものです。また、ガス給湯器からの排気は、かなり高温になります。このような排気に関しては、隣家の迷惑にならないように設計段階から注意が必要です。

4.高さ制限

住宅を建てる際には、高さに対するさまざまな制限があります。たとえば、第1・2種低層住居専用地域の場合、建物の高さは10mまたは12m以下にしなければなりません(絶対高さの制限)。また、隣家の南側の日当たりを確保するため、建物の北側の高さは一定の制限(北側斜線制限)があります。狭小住宅は、敷地面積が狭い分だけ高くしたいものです。そのため、このような制限を十分考慮した設計が必須となります。

デメリットをメリットに変換して最高の住まいを

このようにたとえ狭小地であっても、非常にコストパフォーマンスが高く、住みやすい家を建てることは可能です。しかし、それには狭小住宅に関する豊富な知識が必要でしょう。

そこで頼りになるのがハウスメーカーです。経験豊富なハウスメーカーなら狭小住宅に関しても熟知しています。また、地価の高い土地に建てるケースが多い狭小住宅は、少しでも土地代と建築費のバランスが崩れると予算をオーバーしてしまいます。そうならないためにも、土地探しの段階から資金計画の得意なハウスメーカーをパートナーにすることをおすすめします。

狭小地で暮らしやすい家を建てるには、豊富な知識がカギ。狭小住宅が得意なハウスメーカーと、土地探しの段階から二人三脚で計画を進めましょう。

近年、働く女性が増え続けています。厚生労働省の『労働経済の分析』(平成29年版)によると、配偶者がありながら就業している女性の割合は51.4%。また、2016年の共働き世帯は、1,129万世帯と片働き世帯(664万世帯)の2倍近い数値になっています。これは毎日仕事と子育ての両方に追われるワーキングマザーが増えているということでしょう。そこで、家事を効率よくこなすための間取りと住宅設備をご紹介します。

効率のよい間取りとは

家事の効率化を考える際の目のつけ所は、間取りと住宅設備の2つです。まず間取りに関して考えたいのが、家事動線をいかに短くするかでしょう。たとえば以下のような間取りがお勧めです。

キッチン、脱衣室、ダイニングを回遊できる間取り

毎日必ず行う料理、洗濯の動線はできる限り短くするのが得策です。たとえば、この2つの家事を同時に行うため、キッチン、洗濯機を置く脱衣室、ダイニングを隣接させて回遊できる間取りはいかがでしょうか。この3カ所を間仕切壁なしでぐるりと回れるようにしておけば、家事効率がグンっとアップするはずです。

対面キッチン

リビング・ダイニングに対面するキッチンにすれば、リビングで遊ぶ子どもの様子を確認しながら料理や洗い物をすることができます。最近は親に分からないことをすぐに聞ける、人の気配があることで適度な緊張感を保てるといった理由から、リビングで勉強をする子どもが増えています。その際にも視線が届きやすい対面キッチンは便利でしょう。また、配置によってはテレビを観ながら家事を行うことも可能です。対面キッチンは、忙しいワーキングマザーには理想的な間取りといえます。

キッチンに隣接するパントリー

忙しいワーキングマザーであれば、食材をまとめ買いすることも多いでしょう。そのときに便利なのがキッチンに隣接するパントリーです。ここに大量の食材をしまっておけば、料理中でも最小限の動きで必要なものを取りに行けます。また、この収納スペースの近くに勝手口を設ければ、買い物から帰宅後に玄関を通らずに直接食材を収納することができます。

洗濯機近くの物干しスペース

1階の洗濯機から濡れた洗濯物を2階のバルコニーなどへ運ぶのは重労働です。また、ワーキングマザーなら夜に洗濯をして、部屋干しをするケースも多いでしょう。そこでお勧めしたいのが洗濯機近くに設ける物干しスペースです。この空間には、物干し竿をかける金具や湿気がこもらないように換気扇を設置しておくと便利でしょう。また、昼間に洗濯物を干すことが多い場合は、浴室と洗濯機を置く脱衣室を2階に配置することでバルコニーへの動線が短くなります。

シューズインクローゼット

シューズインクローゼットとは、玄関土間に設置された靴を履いたまま出入りできる収納スペースです。家族とともに増えていく靴だけでなく、ベビーカーや子どもの外遊びの道具、スポーツ用品など土や砂が付きやすいものも気にせずに収納できます。

玄関ホールやリビングのクローゼット

コートやカバンは、リビングに置きっぱなしになりがちです。そこで玄関ホールやリビングに家族全員用のクローゼットを設けて、そこにしまうことをルールとすれば、ママが片づけに回ることはなくなります。リビングに設ける場合は、そこで遊ぶ子どものおもちゃをしまうこともできます。

2階の廊下に掃除用具入れ

家の汚れは、気づいたその場に掃除用具があると便利です。しかし、一般的に掃除機を収納するスペースは1階でしょう。そこで2階にも小型の掃除機などを収納するスペースを設けるのはいかがでしょうか。これで重い掃除機を2階まで運ぶ手間が省けます。また2階の掃除に関しては、子どもたちの個室があるケースが多いので、汚れに気づいた人が行うことをルール化してもいいでしょう。

2階にトイレと洗面台

朝は誰にとっても忙しい時間帯です。トイレや洗面台の順番待ちを、時間の無駄と考える人は多いのではないでしょうか。そこで2階にもトイレと洗面台があると順番待ちが解消されて便利です。

家事を楽にしてくれる住宅設備

間取りの次は家事を楽にしてくれる住宅設備について検討しましょう。これには次のような製品が考えられます。

複数の人が同時に作業できるシステムキッチン

料理は複数の人で行えば効率的ですし、より楽しい作業となります。そのためシステムキッチンの設置は、夫婦で同時に作業しやすいように通路に余裕を持たせるといいでしょう。また、ワークトップは、身長の高い方が疲れないように高めがお勧めです。さらにシステムキッチンを選ぶ際は、お手入れのしやすさもよく確認しましょう。最近のシステムキッチンは食器洗い乾燥機の内蔵はもちろん、シンク内の汚れを水流で流してくれるなど、後片付けが簡単になっているものも増えています。

リビングの落書きOKな壁材

落書きは子どもの仕事の一つ。完全にやめさせることは難しいでしょう。ならば毎日遊ぶリビングの壁材を、落書きOKなものにしてはいかがでしょうか。商品によっては落書きをすぐに拭き取れるものがあります。このような壁材ならば家族の伝言板としても活躍します。

子どもとゆったり入れる浴槽

ワーキングマザーにとって入浴は、数少ない癒しの時間でしょう。しかし、子どもが小さいうちは一緒に入るのが当たり前。ならば2人で入ることを前提とした広めの浴槽を選びましょう。最近は、大人が半身浴をできるように段差を設けた製品などが出ています。

掃除が楽なトイレ

子どもが小さいうちは、トイレの失敗は日常茶飯事。そのたびの掃除は大変です。そこで汚れが付きにくい便器や床材を選んではいかがでしょう。各社から掃除が楽なトイレが発売されています。

大型の洗面ボウル

食べこぼしが付いた服や布おむつなど、子育て期の洗濯物は大量になりがちです。そのたびに洗濯機を回すのは非効率でしょう。そこで活躍するのが大型の洗面ボウルです。大型ボウルで洗髪用のシャワーなどが付いた洗面化粧台を選べば、ちょっとした洗濯はそこでできてしまいます。

このように忙しいワーキングマザーが、効率よく家事をするための間取りや住宅設備の工夫は、数えきれないほどあります。それらを一つひとつ調べ上げるのは不可能に近いのではないでしょうか。そこで頼りにしたいのが、ハウスメーカーです。ハウスメーカーは長年の経験から、家事を楽にするノウハウも豊富に蓄積しています。ただし、どのノウハウが適しているかは人それぞれです。まずは担当者に家族の平日と休日の生活パターンを伝え、最適な家事楽の間取りと住宅設備を提案してもらいましょう。

昨今の日本は、急速に進む晩婚化、非婚化、離婚率のアップなどで30代~40代の単身者が急増しています。総務省統計局によると、全国の「親と同居の壮年未婚者(35~44歳)」数は、1980年には39万人で同年齢層の2.2%でしたが、2016年には288万人で16.3%を占めるまでになりました。このような事態を背景に注目されているのが、1.5・2.5世帯住宅です。

1.5・2.5世帯住宅とは

1.5世帯住宅とは、一般的な夫婦の世帯に単身の社会人が同居する世帯のことです。たとえば、両親と成人して働いている単身の子が一緒に住む世帯です。

一方で2.5世帯住宅とは、1.5世帯にプラスして夫婦世帯やその子どもが同居する世帯です。たとえば、両親と成人した単身の子、さらに子の兄弟夫婦とその子どもが一緒に住む世帯などを指します。

2.5世帯に関するある調査では、「親世帯+息子世帯+女性単身者(息子の姉妹)という組み合わせが多い」、「親世帯には以前から単身の子が同居しているケースが多く、別居して賃貸に住んでいた子世帯が加わって2.5世帯になるケースが多い」という結果が出ています。

1.5・2.5世帯住宅に住むメリット

最近は積極的に1.5・2.5世帯に住む人が増えています。そのメリットには次のようなことが考えられます。

家族は多ければ多いほど家事を分担することができます。さらに2.5世帯で小さな子どもがいる場合は、育児も分担できるので、ママが働くチャンスも広がるでしょう。また、親世帯で介護が必要になった場合は、そちらも分担することができます。

親世帯と子世帯、さらにその兄弟姉妹(単身者)のすべてに収入があるので、住宅の購入費用を分担して負担することができます。また、水道光熱費なども分担できるので、それぞれの世帯に経済的ゆとりが生まれます。

2世帯が一緒に暮らすと、必ずといっていいほど出てくるのが「嫁姑問題」です。しかし、2.5世帯住宅なら、長年姑と暮らしている義兄弟姉妹が緩衝役となって良き相談相手になってくれるケースが多いようです。

また義姉の場合は、働く女性としての先輩にもなるので、仕事の悩みも受け止めてくれるはずです。

1.5または2.5世帯住宅の中で、単身者は外でバリバリ働き、比較的お金にも時間にも余裕がある存在です。そのため、世帯の中では様々な新しい情報を発信してくれるケースが多いようです。また2.5世帯の場合は、単身者が叔父・叔母として子どもの遊び相手となり勉強も教え、よい刺激を与える存在になり得ます。

1.5・2.5世帯住宅の間取りの秘訣

1.5または2.5世帯住宅の間取りを考える場合、単純にそれぞれの個室を設けるだけでは満足度が低くなるようです。秘訣は「つかず離れずの空間づくり」です。特に単身者は、時間の使い方が自由なため夜中に帰宅することもあり得ます。そのため、玄関やミニキッチン、トイレなどの水まわりは個別に設けた方がいいでしょう。

とはいえ、家族間の団らんがなければ1.5・2.5世帯にする意味がありません。そこでたとえば、家族全員が集まるリビングは、どの世帯からもつながるようにし、プライベート空間と団らんスペースを自由に行き来できるようにします。また、廊下を家族全員の本を一ヶ所に集めたファミリーライブラリーとするのもお勧めです。つまり、それぞれの世帯のプライバシーをしっかり確保しながらも、ゆるやかにつながる空間づくりが重要なのです。

また、単身者が将来結婚などで家を出るケースも想定しておくべきでしょう。たとえば親世帯、子世帯の両方から単身者の個室へ行き来できるようにしておけば、単身者が独立した後に親世帯なら父親の書斎、子世帯なら子ども部屋といったように、いずれの世帯でも利用できるようになります。

1.5・2.5世帯の注意点

ここまで1.5・2.5世帯の良い面を紹介してきましたが、注意しなければならない面もあります。それは大きく分けて「住宅ローン」と「相続」の2つです。

前述のように単身者は、いずれ独立する可能性があります。その際に建築費の一部でも住宅ローンを組んでいたら、その後の返済はどうすればよいのでしょうか。

またほとんど場合、親は子よりも早く亡くなります。その際の相続も問題になりがちです。特に2.5世帯では、親の土地に住宅を建てているケースが多いので、兄弟姉妹間で土地をどのように相続するのかも問題になるでしょう。

これらの答えは、それぞれの世帯の事情があるのでケースバイケースとしかいえません。後々もめることがないように、事前に話し合って明確な回答を出しておくことが重要です。

1.5・2.5世帯住宅は、一般住宅よりもプラスαの楽しみやメリットがあります。ただし、成功するか否かは、間取りや家族間の事前の話し合い次第。そこで頼りになるのがハウスメーカーです。多くのハウスメーカーは、1.5・2.5世帯住宅のノウハウが豊富。担当者からアドバイスを受けながら、数十年後でも満足できる住宅を建てましょう。

家づくりは誰にとってもワクワクするものです。部屋数はいくつにするのか、それぞれの広さはどれくらいにするのか、などを考えるのも楽しみの一つでしょう。それでは家の広さは、どうやって決めればよいのでしょうか。そのコツをご紹介しましょう。

快適に暮らせる部屋の広さの目安

家の広さは、そのまま建築費に直結します。たとえば、35坪と37坪の2坪の違いでも、坪単価が80万円なら160万円の差が生じます。「わずか2坪」とは思わず、ここは真剣に最適な広さについて考えるべきでしょう。

とはいえ、最適な家の広さは、家族構成やライフスタイルなどによって千差万別です。一概に「4人家族ならばこの広さがいい」とは言い切れません。

しかしながら、多くの人が快適と感じる次のような目安は存在します。

(子育て世帯の場合)

リビング・ダイニング

12帖以上。20帖あるとかなり広々と感じます。

キッチン

4.5帖前後。このくらいの広さがあると、標準的なシステムキッチンと食器棚などを十分配置できます。

寝室

8帖前後。寝室は広すぎると落ち着かない空間になりがちです。8帖あればダブルベッド1台またはシングルベッド2台に加え、小さな子どもがいる場合はベビーベッドも置ける余裕があります。

子ども部屋

6帖前後。この広さならシングルベッドと机を、余裕をもって置けます。

収納スペースの広さも考える

賃貸住宅への不満に「収納スペースの少なさ」をあげる人は多いようです。それゆえ、せっかく注文住宅を建てるなら、十分な収納空間を確保したいものです。

住宅における収納スペースの目安の一つに収納率があります。これは建物の床面積に占める収納空間の割合です。一戸建ての場合は、標準で13%程度といわれています。たとえば、35坪の家なら4.55坪。約9帖の広さです。これだけのスペースを家の各所に分散して確保すれば、比較的余裕をもって物がしまえるでしょう。

各床面積に対する収納スペースの目安(13%)は次のようになります。

全国平均の床面積は125.8㎡(約35.0坪)

上記のように各部屋や収納スペースの広さには、ある程度目安があります。しかし、これらを単純に足していくだけで全体の広さの目安が算出できるわけではありません。

では、実際に注文住宅を建てた人は、平均でどれくらいの広さの家にしているのでしょうか。住宅金融支援機構の『2019年度 フラット35利用者調査』によると、全国の注文住宅の平均床面積は125.8㎡(約38.0坪)でした。 ただし、この数値は、家を建てる都道府県によって大きく異なります。それぞれの地域の地価や、家族構成の傾向などによって違いが出るようです。

国は家の面積の最低基準を定めている

平均的な床面積のほかにも、家の面積の参考になるものはあります。たとえば、国は住生活基本計画というものを策定しています。これは国民の住生活の安定した確保や向上の促進に関する基本的な計画です。

この計画では、「居住面積水準」を設けています。これには次の2種類があります。

最低居住面積水準

世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活に必要不可欠な住宅面積の水準です。

算定式(2人以上の世帯)

10㎡×世帯人数+10㎡

例:4人家族の場合

10㎡×4人×10㎡=50㎡(約15坪)

誘導居住面積水準

世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現を前提として多様なライフスタイルを想定した場合に必要な住居面積の水準です。この算定式には「都市居住型」と「一般型」の2種類があります。

都市居住型の算定式(2人以上の世帯)

20㎡×世帯人数+15㎡

例:4人家族の場合

20㎡×4人+15㎡=95㎡(約28.7坪)

一般型の算定式

25㎡×世帯人数+25㎡

例:4人家族の場合

25㎡×4人+25㎡=125㎡(約37.8坪)

注文住宅を検討する人の参考となるのは、豊かな住生活の実現を前提とした「誘導居住面積水準」でしょう。この4人家族の数値を見ると、先に説明した富山県と東京都の平均床面積とほぼ一致します。このことからも注文住宅の広さは、各部屋の使い勝手とその土地柄などから決まることが分かります。

しかしながら、これらはあくまで目安です。注文住宅ならば、趣味の部屋をつくってもよし、子どもと一緒に勉強できるスペースをつくってもよし。子どもが小さいうちは、間仕切壁を後から設置できる広い子ども部屋にしておくのもいいでしょう。目安にとらわれず、自分の好みや家族のライフスタイルに合わせて、とことんこだわれるところも注文住宅の大きな魅力ではないでしょうか。

注文住宅の広さを決めるには、ある程度の目安があります。それらを参考にしつつ、住まいの夢をハウスメーカーの担当者と話し合い、それぞれの家族にとって最適な広さを見つけていくことが後悔しない家づくりの秘訣です。

予算、デザイン、保証(アフターフォロー)……。ハウスメーカーを選ぶ際の基準には、様々なものがあります。なかでも保証内容は、「40年、50年と住み続けるのだから」と重要視する人が多いようです。そこで各社の保証内容の違いを理解する方法をご紹介しましょう。

住宅完成保証制度とは

注文住宅における保証内容には、大きく分けて次の3つがあります。

完成保証とは、建物の工事期間中に施工会社が倒産した場合でも、最小限の負担での完成を保証するものです。

もし、着工後に建築依頼先が倒産してしまうと、以下のような事態が想定されます。

このような事態を回避し、建て主が最小限の負担で住宅を完成させるために「住宅完成保証制度」というものがあります。これは建築依頼先の会社が、事前に保証会社へ保証料を支払うことで利用可能になります。ただし、保証料を工事費に含む会社もあるので、契約時に確認するようにしましょう。

なお、この制度はどの建築会社でも利用できるわけではありません。建築会社が事前にこの制度に加入している必要があるからです。加入の有無は建築会社へ直接聞いてみれば分かります。その際、加入していなければ必ず理由も確認しましょう。納得できる理由があれば問題ありません。

建物の構造体と雨漏りに対しての保証

次に建物本体の保証です。実は建築会社を問わず、すべての新築住宅に対しては、引き渡しから10年間の瑕疵(かし)保証責任が義務付けられています。

瑕疵とは、欠陥のことです。その対象部位は次の2つになります。

引き渡し後にこれらの部位に瑕疵が見つかった場合、施工会社は無料で補修しなければなりません。もし、10年間の間に倒産してしまっても、「住宅瑕疵担保履行法」によって保険金や保証金で補修してもらえることになっています。

つまり、引き渡し後10年間は、どこのハウスメーカーで家を建てても同様の保証を受けることができるのです。そこで心配なのが10年を過ぎた場合です。この部分で各ハウスメーカーの保証制度の特徴が出てきます。

住宅の各部位の多くは、10年以降に不具合が発生してきます。たとえば、外壁や屋根の塗り替え時期の目安は、10年目から15年目です。このときにメンテナンスを怠ると、雨漏りなどの不具合につながります。

このようなことから、ハウスメーカーの多くは、10年目以降も無料または有料で定期点検を行い、そこで見つかった不具合を補修することを条件に、保証を延長するプランを設けています。この点検費用や延長保証の期間は、ハウスメーカーによって異なり、なかには60年保証というメーカーもあります。契約前にしっかり確認しておきましょう。

給湯器などの設備は10年保証の対象外

給湯器やシステムキッチン、システムバス、サッシ、フローリングなど住宅設備や内装品は、上記10年保証の対象外になります。また、そのほとんどはハウスメーカーが保証するのではなく、各製造会社が保証します。保証期間の多くは2年前後です。ただし、製造会社によっては有料で延長保証する場合もあります。

これら保証期間や延長保証の有無を一社一社確認するのは大変でしょう。そこでハウスメーカーの担当者にこれらの製品の保証内容を一覧表のような形でまとめてもらい、建物の引き渡しの際に受け取るようにしておくことをお勧めします。

注文住宅の保証する部位は、各ハウスメーカー間でほとんど違いはありません。おもな違いは、点検が有料か否かと保証期間です。これらの点をしっかり確認し、まとめておきましょう。

また、保証内容も大事ですが、それよりも不具合が発生しないことが重要です。外壁塗装など各部位の耐用年数やメンテナンス費用は、各ハウスメーカーによって異なるので、そちらも比較、検討するべきでしょう。

注文住宅の大きな魅力の一つに、間取りを自由に決められることがあります。

「リビングはこうしたい」「収納はこれくらいほしい」と決めていく過程はワクワクするものです。一方で間取りづくりは、その後のライフスタイルを大きく左右するので絶対に失敗したくないところでしょう。 生活のしやすい間取りは十人十色です。こうしなければならない、というルールはありません。ですが、いざとなると、どう考えればいいのか分からない、という人が多いのではないでしょうか。そこで間取りづくりの基礎知識をご紹介します。

3つのゾーニングを基準にスタートする

住宅の間取りづくりは、玄関、リビング、ダイニングなど家族全員が利用するパブリックスペース、寝室や子ども部屋など個別に使用するプライベートスペース、水まわりや収納などのその他のスペースの3つに分けて検討すると考えがまとまりやすいでしょう。

ただし、この3つに共通して考慮しなければならないことがあります。それは次の3つです。

①生活・家事動線

生活動線とは朝起きてから寝るまでの動線です。家事動線は料理や洗濯などの家事を行う際の動線です。これらはできる限り短い方が住みやすくなります。たとえば、朝起きてからトイレに行くまでの動線が長ければ面倒に感じますし、洗濯機から干す場所までが遠ければ肉体的負担が大きくなってしまいます。また、動線は家族同士がぶつからないように考慮することも必要です。

②照明スイッチ・コンセントの位置

照明スイッチとコンセントの位置は使いたい場所にあるのが大前提です。夜、暗い廊下からリビングやトイレに入った際に手探りでもすぐに分かる位置に照明スイッチがあれば便利でしょう。また、廊下の途中にコンセントがあれば掃除機の電源コードが届きやすくなります。

③上下階の位置関係

2階のトイレの下に寝室があったり、吹き抜けの脇に受験生の子ども部屋があったりすると音が気になるものです。排水音や人の話し声がする場所の近くは音が気にならないスペースにするようにしましょう。特に上下階の位置関係によって聞こえる音は、平面図を見ただけでは気づかないことが多いので注意が必要です。

以上の3点を考慮した上で次の3つのゾーニングを考えていきます。

パブリックスペースを考える

おもなパブリックスペースには、玄関、リビング、キッチンなどがあります。それぞれの注意点を紹介しましょう。

「玄関」

玄関の失敗例で意外に多いのが「土間が狭すぎた」というものです。玄関土間は靴のほかにも、コート、子どものおもちゃやスポーツ用品、夫婦の趣味のグッズなど、収納できると生活動線が楽になるモノがたくさんあります。これらのことも考えてスペースを確保しましょう。

また朝、気持ちよく出かけるためには、玄関はできるだけ明るい方がいいでしょう。可能ならば窓を設けることをお勧めします。さらに高齢者や障害のある人との同居、またはそのような来客を想定して手すりの設置も忘れてはなりません。

「リビング」

リビングを考える際にありがちなのが、「とにかく12帖」といったように広さを先に決めてしまうことです。しかし、この方法だと「広すぎて殺風景」「意外に狭くて希望のソファが置けない」といった失敗もあり得ます。まずはリビングに置きたいものを書き出して、それにあった間取りを考えましょう。また、リビングに隣接した来客用の和室を設ける場合は、何人ぐらいの来客が泊まるのか想定して広さを確保しましょう。

リビングの多くは、明るくするために大きな窓を設けますが、その位置によってはプライバシーを確保できなくなるので注意が必要です。大きな窓が無理な場合は、天窓を付けるという手もあります。

「キッチン」

キッチンで重要なのは、家事動線です。必要な家電が使いやすい位置にあるのか、夫婦や親子で料理をすることが可能な広さなのか、など実際に使用している様子をイメージしてみましょう。この際にパントリー(食品庫)や調理家電用のコンセントの位置も十分考慮する必要があります。

このほかにもパブリックスペースとしては、吹き抜けや屋上スペースなどがあります。どちらも豊かな生活に貢献するものですが、「住みはじめると意外に必要なかった」という声が多いのも事実です。設けるにはそれなりの費用がかかるので、間取りを検討する際は本当に必要かよく考えましょう。

プライベートスペースを考える

おもなプライベートスペースといえば、寝室と子ども部屋でしょう。それぞれの注意点を考えてみます。

「寝室」

寝室は広すぎると、落ち着かずに眠りが浅くなりがちです。寝る人数を考慮した適正な広さを考えましょう。たとえば、ダブルベッド、テレビ、ドレッサーを多少の余裕を持って置ける広さは8帖くらいです。

また、寝室は長時間人がいる空間なので、湿気がこもりがちです。そのため、換気が十分できる窓が必要でしょう。この窓は、プライバシーの確保や朝日が目に入らないようにするなど、位置に十分配慮することが重要です。

「子ども部屋」

子どもの居場所は、成長段階によって異なります。たとえば、思春期を迎えるまでは、親と一緒に過ごす時間が多いはずです。そのため、子どもが産まれる予定、または小さい子どもいる世帯は、将来子ども部屋になるスペースを人数分だけ確保しておき、寝室は親と一緒にする。さらに料理中のキッチンから見えるリビングに遊び場とおもちゃの収納を確保します。そして、小学校に通うようになったときのために、廊下やスキップフロアに親と一緒に勉強できるファミリーライブラリーなどを設けるといった方法があります。

 

 

その他のスペースを考える

家には浴室やトイレといった水まわりや十分な収納スペースも必要です。これらの注意点にはどのようなことがあるのでしょうか。

「浴室」

一人で入るのか、子どもと一緒に入るのかで必要な広さが異なります。また、換気のために窓が必須ですが、外からの目に注意しなければなりません。さらに脱衣スペースから物干し場への動線も考慮するべきでしょう。

「トイレ」

寝室からの距離、来客が使用する際の動線、玄関から出入りが見られないか、など位置関係には注意が必要です。また、広すぎると落ち着かなくなりますし、狭すぎると掃除用具などの収納スペースが確保できなくなります。

「収納スペース」

収納の基本は、使いたいモノを使いたい場所にしまうことです。たとえば、テレビのリモコンや調理家電など毎日使うモノは、それらを使う場所に収納スペースを設けます。一方でスーツケースなど年に何回も使わないモノや大きなモノは、納戸やロフトを設けてしまえばいいでしょう。

収納スペースに棚を設ける場合は、奥行きに注意が必要です。小さいモノをしまうのに奥行きがあり過ぎると、取り出しにくいうえに空間の無駄遣いになってしまいます。

失敗しない間取りづくりの秘訣は、家族全員で上記基礎知識を共有しつつ、話し合って決めていくことです。子どもでもある程度大きくなっているならば積極的に希望を聞いてみましょう。また、二世帯住宅ならば親世帯の意見をとことん聞く必要があります。ただし、具体的なプランは、ハウスメーカーの設計士など専門家に作成してもらうのが得策です。専門家ならば様々な事例を知っているはずなので、素人には思いもつかない提案も期待できます。まずは本記事で間取りづくりの基礎知識を理解し、それを基にハウスメーカー相談、そしてメーカーから提案されたプランを確認するのが効率的な方法となるはずです。